「カ〜カ〜シ ただいま〜」
「お帰りなさ〜い センセェ」
「はい!おみやげだよ〜!」
そう言って、先生は、白い紙袋をカカシに渡した。
「ねぇ、ご飯前だけど、先にこれ食べちゃおうよ〜」
「何?」
「シカクがさ、新しくできた彼女に手作りケーキ貰ったんだけど、アイツ、甘いものダメなんだよ。
1口食べたんだけど、やっぱ無理って。
でも、捨てるの悪いし、俺に味見させて、感想教えてくれって言うんだよ。
カカシも甘いものあんまり得意じゃないから、俺の感想よりもカカシの感想の方がリアルでいいかな〜って思ってさ」
先生は、ナイフとフォークとお皿を用意して、ケーキを箱から取り出した。
「うわぁぁ〜 スッゲー 美味しそう〜!」
確かに1箇所少し欠けているが、ラズベリー、ブルーベリー、いちごなどのフルーツが一面に敷詰められた豪華なミックスベリーのタルトだ。
先生は、四等分に切り分けて、カカシには、それをまた半分に切ってお皿に載せてくれた。
「はい、カカシのはこれくらいでいいかな?」
「うん、そのくらいだったら大丈夫そう。いただきます!」
「うっまぁ〜 マジ゙激うま ヤヴァイよ これ!」
先生は大声で叫んで、あっという間に、ペロリと1ピースをたいらげた。
先生は、甘いものでも辛いものでも、何でもいける方で、
食い意地がはってるというか、大食いというか、食べることには貪欲な方だ。
一方、カカシは、どちらかと言うと、食は細い方で、特に甘いものは苦手だ。
カカシも、フォークで小さく切って、一口、口にに入れた。
「ん!おいしい!これだったら、オレでも食べれるよ!そんなに甘くないしね」
「ホント、カスタードクリームの甘さが控え目だし、フルーツの酸味もあるから、
甘いの苦手なカカシでも大丈夫だね!」
「やっぱ、シカクさんの彼女もちゃんとそこまで考えてるんじゃないかな〜」
「ん〜 どうだろうネ〜?シカクにあげるんなら、きゅうりのお新香の方が、
よっぽどいいと思うんだけどな〜 ハハハ〜
でも、普通、食べ物の好み聞いてからあげるよね?
女の子ってさ、私はこういうお洒落なものも作れますって見せたいのかな〜?」
先生は笑いながら、2つ目のケーキをお皿に載せた。
カカシも、2口目は、思わず大きく切ってしまい、ちょっと、ほっぺを膨らませて食べている。
(うわぁ、カカシがあんな食べ方するなんて・・・かわいい〜vv)
「センセェ、夜ご飯食べれなくなっちゃうよ〜!」
「平気、平気!別腹、別腹!」
先生は、2つ目のケーキを食べながら、ふと手を止めて、お皿を持ってカカシの隣に移動した。
「センセェ どうしたの?」
「エヘ・・・」
先生は、ちょっと悪戯っぽい目でカカシを見て、口の端のあげて、ニヤリと笑った。
そして、ケーキんの中に、人差し指をズボっと突っ込んで、
カスタードクリームをさくらんぼ程の大きさにすくった。
それを、カカシのほっぺにベトリと付けた。
「ぎゃぁぁ〜 なっ、何すんの〜センセェ〜」
次の瞬間、先生は、カカシのほっぺのクリームをペロリと舐めた。
「ちょっ、センセェ・・・」
「うふ やっぱ、カカシはお ・ い ・ し ・ い ・ な〜
なんか、ケーキ食べてたら、カカシのほっぺがあまりにも美味しそうで・・・
つい、食べたくなっちゃったの!」
先生は、カカシのほっぺに付いたクリームをきれいにペロペロ舐め続けた。
「あぁぁ カカシ・・・カカシが食べたくなっちゃった・・・
もう、夜ごはんカカシでいいや!」
「セ ・ ン ・ セ ・ ェ ・・・ やめてよ・・・
ちゃんと夜ごはん作るからさ・・・」
「もう、ダメ〜 カカシを一口食べたら、やめられない、止まらない〜!」
先生は、カカシをひょいと抱き上げて、寝室のドアを開けた。
「カカシィー いっただきまぁ〜す!!!」
翌朝、シカクは、先生とカカシを呼び止めた。
「よぅ! で、どうだった?」
「ケーキ?あぁ、とっても、美味しかったよ〜!
美味しいなんて、単純な一言で済ませるのは申し訳ないくらいかもね。
プルンとしててさ〜、何ていうかその〜 もうこの世のものとは思えないほど、可愛くってさ!!!
あ〜思い出しただけでも・・・
俺、一気食いだったよね!? ね〜カカシ!
そうだ、シカク、もう1回作ってもらってよ! また、食べたいな〜!」
カカシは口布をしているから、顔は見えないものの、耳まで真っ赤になっている。
そして、先生のわき腹を軽くつねる。
「イテテ・・・カカシったら」
「シカクさん、やっぱ、甘いものは苦手だって、正直に言った方がいいと思いますよ!
せっかく作ってくださったのに、一口しか食べないなんて、可哀想ですよ!
ケーキよりも、茄子のお新香がいいって、言ったら!?」
「へ?茄子のお新香???」
(ぷっ カカシったら・・・)
「ケーキ!ケーキ!」
「お前らいったい何争ってるの???」
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