「ねぇ カ ・ カ ・ シ ケーキ食べよっか?」
「えぇっ 今から? だって、まだあと何人か戻って来ていないんだよ!
ちゃんと、全部終わってからの方がいいと思うけど・・・
っていうか、こんな時間にケーキはちょっとキツイかも・・・」
カカシは、四代目が、ケーキを食べるとどうするか、その後どうなってしまうか、想像がついたので、ここで食べては、配達の完了を見届けられるのかという心配が一瞬頭をかすめたのだ。
「へへへ〜 大丈夫! このケーキはカカシ用に、甘さを抑えて作ってもらった特注品だからさ!
それに、もう、あと何人? もうすぐ終わるから大丈夫だよ!」
そう言って、四代目はニコニコ顔で、冷蔵庫からケーキの箱を取り出して来た。
「う〜ん、何飲もうかな〜? まぁ、クリスマスだから、とりあえずワインかな」
「えっ!? ケーキにワイン・・・?」
「カカシにもね、ワインをほんのちょっと入れて炭酸で割ってスパークリングワインにしてあげるから、
それくらいなら、大丈夫だよ!」
「酔っぱらわないかな・・・?」
「いいじゃん、酔ったカカシも・・・!」
「もう〜先生ったら・・・何か考えてるでしょ?」
「ほらほら、サンタの俺が帰って来たよ! 名簿チェックして!」
カカシが、帰って来た四代目のサンタクロースを窓から迎え入れた。
戻って来た四代目サンタはカカシに見えないように、本体の四代目に目で合図を送って消えた。
「うわぁ〜先生、見て! 雪!雪降ってきた!」
「すごいね〜!ホワイトクリスマスか!
きっと本物のサンタさんからの、俺たちへのプレゼントかもね!」
二人は、窓から外を眺めた。
雪がはらはら舞い降りて、幻想的な世界を作り上げた。
カカシは、夢を見ているような感じがした。
先生と自分だけが、まるで違う世界にいるみたいだった。
「カカシ、今日のクリスマスのこと、忘れられないね!」
「先生・・・当たり前だよ・・・今まで生きてきた中で、最高にステキなクリスマスだよ!
ずっと ずっと 忘れないよ・・・」
「メリークリスマス!カカシ!」
「メリークリスマス!先生!」
四代目は、カカシを後からがばっと抱きしめて、
「さぁさ ケーキ!ケーキ!」
と、言いながら、スキップして、ケーキとワインを用意した。
カカシも、もう覚悟を決めている。
こんなステキな夜だから、今日は先生の好きなように・・・
そうこうしていう間にも、四代目サンタが、次々と戻って来て、やっと、最後の一人の完了チェックが終わった。
「先生、クリスマスプレゼント配達任務完了しました!
お疲れ様!」
「イェ〜イ!やっと終ったぁ〜」
二人は、手を高く上げて拳を合わせた。
「今何時? えぇ〜もう、1時半!?
はぁぁぁ〜だいぶ予定オーバーしちゃったな・・・」
「先生、さぁ、ケーキ食べよ!」
「カカシ、ありがとう!」
それから、ワインとスパークリングワインで、もう一度乾杯をした。
ケーキを美味しそうに食べる四代目・・・
「先生、ほんとこのケーキ 甘くないから、このくらいなら、オレでも食べれるよ!」
「でしょ〜何てったって カカシスペシャルだからね!
うわぁ〜カカシ もう顔赤くなってる!大丈夫?」
(カカシが甘いからね・・・クリームはそんなに甘くなくたっていいんだよ・・・!)
そして、お決まりの・・・
「えへ カ ・ カ ・ シ!」
四代目は、クリームをカカシのほっぺにペトリとくっ付けて・・・
「カカシ・・・この続きは、向こうでね・・・」
「セ ・ ン ・ セ ・ ェ ・・・」
四代目は、ほんのりピンク色に染まったカカシをお姫様抱っこで、寝室に飛んで行った。
それから・・・
二人の甘い 甘〜い とろけるようなクリスマスの夜が・・・
四代目は、優しく 熱く、何度もカカシを抱いた。
カカシも約束通り、途中で意識を飛ばすことなく頑張って・・・
いつしか、空の色も明るく変わり始めて・・・
「カカシ・・・
大丈夫? 眠くない?」
「ふぅ・・・んん・・・
まだまだ大丈夫だよ・・・先生・・・」
「ふふふ・・・こんな可愛いカカシ初めてかもね・・・
やっぱり、クリスマスだから・・・!?
先生は、カカシから最高のプレゼント貰ってとっても幸せでした!
カカシケーキも美味しかったしね〜!」
四代目は、カカシの天使のような横顔を愛しげに見つめながら、キラキラ輝く銀色の髪を優しく撫ぜた。
(そっか、先生・・・もしかして・・・
オレが寝ないと・・・)
カカシは、ピンときて、胸の辺りが少しくすぐったくなった。
「ふわぁぁ〜 やっぱ 先生・・・
オレ・・・少し眠くなってきた・・・」
「そうだね・・・もうすぐ夜が明けちゃうね・・・
カカシは昼から任務もあるから、ちゃんと寝ないとね!」
「うん、おやすみ・・・先生・・・」
「おやすみ!カカシ!」
四代目は、おでこにチュッとお休みのキスをした。
しばらくして・・・
「よ〜し カカシ 寝たかな・・・?」
四代目は、そっと、ベットから起き上がり、押入れの奥から、何やら大きな袋を取り出した。
それは、大きな赤いリボンで綺麗にラッピングされたカカシのプレゼントだ。
「カカシ・・・カカシだけのサンタさんからのプ ・ レ ・ ゼ ・ ン ・ ト !!」
寝たふりをしているカカシにも、四代目が何をしているのかは分かっていた。
(先生・・・ありがとう・・・)
四代目は、プレゼントを喜ぶカカシの笑顔を想像して、思わずニッコリ笑って、
もう一度、カカシの隣に潜り込んだ。