みかづき島の思い出 完
夢を見た。
先生とこの島で花火を見た時の。
目を覚ますと見慣れない天井が目に映った。
そっか、オレはチャクラ切れでまた倒れて、病院に運ばれたんだっけ。
少しずつ身体を動かしてみる。
何とか動けそうだ。
オレはゆっくり身体を起こしてベッドに腰掛けて、横に備え付けてあった小さい冷蔵庫を開け、ミネラルウォーターを取り出し、ごくりと飲んだ。
身体の中をさ〜っと冷たい水が流れていった。
窓の方にちらりと視線を向けると、夜空に満天の星が輝いている。
あぁ、あの時もこんな夜空を二人で見てたっけ・・・
ねぇ、先生・・・
オレは今みかづき島にいるんだよ
空の上からオレが見える?
オレは初めてこの島に来た時のことを思い出していた。
広いスゥィートルームに泊まったこと、
海で溺れたこと、 くっきり付いた日焼けの跡を二人で笑っこと、
お揃いの浴衣で行ったお祭り、
真下で見た花火のことも。
オレは思わずクスリと笑った。
何もかもがオレにとってはかけがえのない大切な思い出だった。
あの時の先生の楽しそうな顔。
あの時の先生の言葉。
全部覚えているよ。
それから、五年後には、三代目にどんな手を使ったのか、
また来たいと言ったオレの言葉を本当に叶えてくれたね。
任務をさっさと済まして、しっかり三日間の夏休みを取って。
先生は無理して、またあのスウィートルームに泊まらせてくれた。
その時はもう先生とオレはむふふな関係になってたからさ・・・
そりゃあもうね・・・
二人だけの甘い甘い夏休みをね・・・
しっかり、たっぷりと・・・
あの時の先生ったら・・・
優しくて、優しくて・・・
あぁぁ・・・
ヤバイ・・・
思い出したら・・・
身体が熱くなってきちゃう・・・
ダメだって・・・
先生・・・
オレ・・・
今、チャクラ切れで・・・
オレは思わず首を横に振り、思い出をそこで止めた。
これ以上思い出したら、止まらなくなっちゃいそうだから。
あの時、あの部屋で先生にどうされたかは、
オレと先生だけの ヒ ・ ミ ・ ツ ・・・
そっだ。
腕立てでもしよっと。
オレはチャクラ切れの己の身体がこれ以上危険な状態にならないように、
腕立てをしてごまかした。
1 ・ 2 ・ 3 ・ 4 ・ 5 ・・・・
ハァ・・・ハァ・・・
50回程でバテバテになった。
もう、今日はこのまま寝よう・・・
先生、
明日、あの木を探してみるよ。
先生の術式残ってるかな・・・
あの木の上でもう一度、
先生とオレのみかづき島の思い出を、
たくさんたくさん思い出すよ。
それから、ナルトたちも頑張ったからご褒美にあのホテルのスウィートルームに、一日泊まらせてあげようかな。
先生と泳いだあの海でもう一度泳いでこよう。
先生と泳いだあのベッドでもう一度眠りたいよ・・・
今日は、少し疲れたから、もう寝るね。
おやすみ・・・
先生・・・
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2007/11/8