共戦共生 共誓共願 完
まだ、肩で息をしているカカシの頬にそっと触れる。
髪を撫で、肩を抱く。
呼吸が整うのを待って、
カカシの柔らかい唇に、
ありがとうの思いを込めてキスをした。
「カカシ、ありがとう、最高の誕生日プレゼントだったよ」
「先生・・・」
「すっご〜く、よかった。こんな気持ちよかったの初めて!」
「もぉ・・・そんな・・・恥かしいこと言わないでよ・・・」
「だって本当だもん! カカシ大好き〜!」
「オレも・・・先生が・・・」
カカシは消え入るような小さな声で囁いた。
「好き」って言ってくれたのは聞こえたけれど、カカシがあまりに可愛いから、オレは聞こえない振りをした。
「えっ? 何? カカシ、聞こえなかったけど?」
「聞こえてるくせに〜!」
と、言って、カカシはほっぺをぷくりと膨らませた。
「えへへ〜 バレてた?
いいじゃん! 嬉しかったから、もう1回聞きたかったの! ねっ!カカシ!」 「先生が好き! 好き! 好き! 先生がだ〜い好き!」
カカシは、大きな声で何度も好きと言ってくれた。
「カカシ、結婚しよう!」
「えっ!? けっけっけっ・・・結婚!?」
「そう! オレ達、お互い大好きなんだもん!
だから結婚するの! カカシ、これプロポーズなんだけど。
ね〜いいでしょ?」
「先生、意味分かりません!
先生とオレは・・・ 男同士なのに・・・」 「え〜? カカシったら、形にこだわる方?」
「それに・・・先生は火影になるんでしょ!」
「火影って結婚しちゃいけないの?」
「いや・・・だから・・・
そんなことはないけど・・・ でも・・・先生とオレは無理でしょ・・・」 「オレ、紙っぺら1枚の掟なんか全然気にしないけど? オレ達二人が愛し合っていればいいことでしょ? ダメ?」 「先生・・・」
カカシは突然の展開にまだ思考がついていけない。
「オレは・・・先生がオレのこと好きって言ってくれただけで・・・
もうそれだけで、十分幸せだから。 結婚だなんて・・・そんなことは・・・」 「もしも、みんながオレ達のこと認めてくれたら?」
「えっ?みんながって・・・?
オレ達のこと秘密じゃないの?」 「ん! オレはカカシのこと隠したりしたくないから。
オレとカカシはらぶらぶ〜って自慢したいの!」 「先生・・・自慢って・・・どんな・・・?」
カカシの背中に冷たい汗がつつっと流れた。
「だから、考えておいてね! オレ達の結婚式!」 「無理です!」
今日はきっぱりと断られてしまったけど、
オレは諦めないし、たぶんシカクもね。
最後にはきっと良い返事をしてくれると信じているよ。
カカシ! こうしてオレの誕生日は、カカシと結ばれて、
カカシにプロポーズするという今までの人生の中で、
最高に幸せな一日となった。
これから先、オレが火影になったら、きっと様々な困難や障害がオレ達二人を襲ってくるだろう。
でも何があっても、
どんなに苦しくても辛くても、
カカシと一緒なら、乗り越えていける。
生涯、共に戦い、共に生きていくことを誓ったのだから。
オレとカカシ。
ずっとずっと一緒にね。
ただそれだけがオレの願い。
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2008/8/2