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あのね先生   完
   

先生がニコリと笑ってオレのことを優しく見つめてくれた。

「あれから・・・オレ・・・ずっと・・・一人で・・・
頑張ったんだよ・・・辛くて・・・苦しくて・・・」
「知っているよ・・・カカシ」

涙が溢れて、溢れて、止めることが出来ない。
オレは子どものように泣きじゃくった。
ちょっぴり恥ずかしくなって、暖かくて、大きな先生の胸に顔を埋めようと思って、
そっと先生に顔を近づけたら・・・
急に先生が大声を上げた。

「うわ!やだよ、カカシ!鼻水つくでしょ!触らないでよ〜!」

あまりに冷たい先生の言葉にオレは固まってしまった。

「先生・・・酷いよ・・・そんな言い方しなくっても・・・
折角会えたのに・・・」
「話は聞いてあげるけど、オレには絶対に触らないでよ」
「え〜どうして?」
「だって、カカシはまだ本当はこっちに来てはいけないんだ!
オレに触ったら、カカシ、引っ付いて離れないでしょ?
だ〜か〜ら、ダメなんだよ!」
「もう、いいんだもん!オレ、やっと先生に会えたんだから。
いいじゃん!オレを連れて行ってよ!」
「ダ〜メ!オレ、ちゃんと見ていたんだからね!
カカシってば、さっき、神威で、しっかり攻撃をかわしただろ?
ってことはただのチャクラ切れだよね!」
「バ・・・バレてた?」
「当ったり前でしょ!オレを誰だと思ってるの!
カカシのことは、何から何まで少しも洩らさず見ているんだからね」
「え・・・何から何までって・・・? 」
「それから、カカシ、オレとの約束だってまだ守ってないだろ?」
「そ・・・それは・・・」
「あの術を完成させるって、約束したよね?
まさか、忘れたとは言わせないよ」
「だって・・・
だって・・・
無理だよ・・・先生にも出来なかったあの術を・・・
オレなんかに出来るはずないでしょ・・・」
「カカシにしか出来ないんだよ!オレが考えたあのマダラ対策の最強忍術は!」
「先生・・・」
「マダラは暁に人柱力を集めさせ、九体の尾獣のチャクラを合体させて、最強兵器を作ろうとしている。
それに、対抗出来るのは・・・
右手の大玉螺旋丸に風の性質変化を加えて、
左手には雷切!この二つの術を合体させて、
写輪眼で月読をかけた敵を精神世界でダメージを与えて、
立てなくなったところに、風遁大玉螺旋丸ア〜ンド雷切をバ〜ンとあててさ、
最後の仕上げに神威で結果空間にボ〜ンと吹き飛ばす!
ただそれだけじゃないの!」
「そんなの無理です!絶対に出来ません!」
「カカシ、ちゃんと修行してるの?
そんな簡単に出来ないなんて諦めないでよ!
木ノ葉の忍でしょ?オレの弟子でしょ?」
「先生・・・」
「さっ、カカシ、もういいでしょ。そろそろ帰りなさい。
オレも久しぶりにカカシと話が出来て嬉しかったし」
「オレ・・・帰るの・・・?
先生・・・オレの話・・・まだ・・・全然聞いてない・・・」
「何言ってるの!そんなこと言ってる間に里がどうなってもいいの?
カカシはやることまだたくさんあるでしょ!
だから、こっちに来ちゃダ〜メ〜!」
「先生・・・
分かったよ・・・
もう少し頑張ってみる・・・
先生・・・最後に一つだけ・・・
お願いが・・・」
「なぁ〜に?」
「先生・・・
ちょっとでいいから、
抱きしめて・・・
お願いだから・・・」
「カカシ・・・
ごめん・・・それは出来ない
さっき言ったでしょ・・・
オレはカカシに触れることは出来ないんだよ・・・」
「先生・・・」

ほんの一瞬でいいから、
昔のようにぎゅっと抱きしめて欲しかった。
でもそんなオレのささやかな願いは叶うことはなかった。

わぁ・・・
また、涙が溢れてきた・・・

先生の顔を見ることが出来ずに下を向いてしまう。

「カカシ・・・ちょっと上を向いてごらん」

オレは慌てて涙をぐいっと手の甲で拭って、
ゆっくりと先生の顔を見上げた。

先生はきらきらと輝く満面の笑みで、
手のひらをそっとオレの頭の上の方に翳して、
ぐるぐると頭を撫でるように回してくれた。

「カカシは本当にいい子だね。
よくがんばりました。
でも、まだまだがんばれるからね。
里のために、
そして、オレのために・・・
ね?」

「先生・・・」
「さぁ、戻りなさい。
お前が行かないと、里にはもっと大きな被害が出るんだよ。
オレはそんなの嫌だ。オレの大好きな木ノ葉を・・・
守って・・・」
「わかったよ、先生」
「カカシ、目を瞑ってごらん」

オレは、言われるままにそっと目を閉じた。

一瞬、
オレの唇の上に、
ふわりとした暖かいチャクラのようなものが流れたような気がした。

決して触れることはなかったけど。

それは、
確かに、
あの懐かしい
感触だった。


「先生・・・」



「先生・・・」





重い・・・


何だこれ・・・

何かがいる・・・

何かが動いている・・・

誰・・・?

唇がぬるっとした・・・

オレは恐々と目を開いた。


ぎやぁぁぁぁぁぁぁぁぁ〜!!!


オレは思わず瓦礫の中から吹っ飛んで逃げ出した。


「これって・・・
確か・・・
綱手様のカツユ?
あ、何か動けるし、
もしかして、チャックラを流してくれたのかな?」


身体をそっと動かしてみた。

「大丈夫みたい」

辺りを見渡すと、
ほとんどの建物が破壊され、あちこちから煙が昇っている。

「よし!行くぞ!
暁なんかに負けてたまるか!
オレと先生の合体忍術、“風遁大玉螺旋丸ア〜ンド雷切で神威でボ〜ン”で、
ぼっこぼこにしてやるぞ〜!」


ねぇ、先生・・・


カカシは空に向かって微笑み、
風のように走り出した。

 

                                                           2008/12/8

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