「んふぅ・・・」
カカシの口元から甘い吐息が漏れた。
四代目にキスをされると、身体中がふわふわしてきて立っていられなくなってしまう。
思わずよろめくカカシの身体をを四代目はしっかりと抱き締めた。
「もう、カカシったら、キスだけでふらついているようじゃ、これから・・・」
「あああああああっっっっっ〜!!!
先生っっっっっーーーーーー!!!」
四代目にキスをされて、カカシは大事なことを思い出した。
こうはしてられない、部屋に戻らないと。
そうか、そういうことだったのか。
カカシは、今、やっと四代目の企んでいたことがわかった。
(絶対にそうだ、間違いない。
なんで、こんな大事なことをすぐに思い出さなかったんだろう。
普段、めったに休まない先生が休暇と言ったら、もう、これしかないじゃないか)
カカシは、情けなくなってきた。
(このまま先生に連れて行かれては、折角のあれが・・・
でも、今なら大丈夫。まだ間に合う)
「どうしたの、カカシ?
急に大声出すから、びっくりしたよ。なんか、あった?」
「ゴメン、先生。オレ、いったん、家に戻っていいですか?
取ってきたいものがあって・・・」
「カカシが持っていかなくっちゃならないものなんて、ないでしょ?
だって、オレの研究室だよ。それに、最低限必要な雑貨は、今、カカシに買ってきてもらったし」
「あ、あの・・・そ、それは・・・えっと、休暇ということは、泊まるってことですよね?
だから・・・その・・・ほら、オレって、枕変わると眠れないし!」
「え、そうだったっけ?今までそんなこと聞いたことないけど?」
「さ、最近なんです。5分で戻りますから!」
そう言ってカカシは、ドロンと消えて行った。
「あ〜あ、やっぱ、気がついちゃったのかな?カカシはやっぱ鋭いねぇ。
休暇なんて、言わなければよかったかも。
ま、いっか。教えなかったら、教えなかったで、後から、文句ぶーぶー言われそうだしね。
それに、オレもないよりはあった方が嬉しいし〜♪」
四代目は、もう一度、くすりと笑った。
10分程して、カカシが汗だくになって、走って戻って来た。
「先生、ゴメン。遅くなりました」
「あれ、枕は?」
「大丈夫、ここに入ってますから!」
カカシは腰のポーチをとんとんと叩いた。
確かに、妙な形に膨らんでいる。
「そんなことより、先生、これをどうやって運ぶんですか?」
「ん! ぱぱっとびゅ〜んてね! このくらいなら多分二回位に分ければ大丈夫だと思うよ」
そう言って四代目はパチリとウインクをして、手のひらを荷物に向けた。
すると淡い緑色のチャクラの幕がチャクラが荷物を二つに分けて包んだ。
「それっ!」
四代目が手のひらをぱっと返すと、荷物は結界空間にずずずっと飲み込まれていった。
「もういっちょう!」
そして、あっという間に、残り半分も消えていった。
「さ、カカシもオレの羽織りの中に入って。飛んで行くからね」
四代目がぱっと火影羽織を広げるとカカシはこくりと頷き、四代目の腕の中にちょこんと収まった。
「しっかりつかまっていてね」
そして、四代目はクナイを両手で挟むように持ち、印を組んだ。
「行っくよ〜! 飛雷神の術!」
二人の姿は、一瞬にして消えていった。