
LOVE NOTE   1
   
| 「はぁ・・・ 今日もキツかったな・・・」 三年が引退して新しい部長になってから、前よりも練習メニューが少しハードになったような気がする。 はたけカカシ、十六歳。 木ノ葉高校の一年生で、硬式テニス部所属。 カカシは今日も部活で遅くなり、校門前の真っ暗な道を一人で歩いていた。 部の皆は近くのファーストフードで軽く食事を取って帰るのだが、カカシは何となくあの雰囲気に馴染めなくて、いつも一人で先に帰ってしまう。 食べ盛りだと言うのに食は細い方で、お腹が空いて家まで我慢できないという程でもないし。 「どうせ、今日も父さんは帰って来ないだろうから・・・ 簡単にうどんで済ませちゃおうっと」 冷蔵庫の中を思い出し、夕飯のメニューを考えながら歩いていた。 もうすぐ家に着くという時、少し前方の道の端で何かがキラリと光ったのが見えた。 その方向に歩いてみると・・・ 「ん? 何か落ちてるな・・・ ノート・・・?」 足元にピンク色の可愛いノートが落ちていた。 思わず拾って手に取って見ると、ノートの表には、 「LOVE NOTE」 と、書かれていた。 「女の子のノートかな?」 カカシは辺りを見回したが、誰もいない。 名前が書いていないか、ひっくり返して裏を見たが何も書かれていない。 「悪いけどちょっと中を見させてもらうよ」 カカシはノートをパラパラと捲ったが何も書かれていなかった。 「どうしようっかな・・・ 交番に届けるか・・・」 しかし、一番最後のページを捲ったら、裏表紙のところに、何やらぎっしり細かい文字が書いてあった。 一番上を読んでみると・・・ 「このノートに名前を書くとその人はノートの持ち主を必ず好きになる」 | 
                                                                                 2007/11/29
