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LOVE NOTE   2
   

「ハァ? 何これ? 夢見る女の子の妄想ノートか・・・?」
 
カカシはプッと吹き出してノートを閉じたが、何だか続きが気になって、そのままここに置いていく気になれずに、中身を読んでから交番に届けに行けばいいやと思わずラケットバッグに入れてしまった。
 
部屋に帰って、シャワーをさっと浴び、食事を済ませた、
CDを付けて音楽を流す。特に聞いている訳でもないが一人の部屋は物音がなく静かなのが嫌で、何でもいいから音を出しておく。
ベッドの上に横になりぼんやりしていたが、ふとさっき拾ったノートのことを思い出し、机の横に置いてあったラケットバッグの中から、ノートを取り出した。
椅子に座って、今度は裏表紙から開いてみた。
いかにも女の子のって言う様な、まるっこい小さな文字がぎっしりと書かれていた。
もう一度、一行目から読んでみる。
 
 
「このノートに名前を書くとその人はノートの持ち主を必ず好きになる」
 
 
そして、二行目には・・・
 
 
「名前しか書かなかったら、その人に24時間以内に告白される。
もし、告白を受ける時の希望を書けば、その通りに告白される。
たとえば、日時や場所を書けば、その通りになる」
 
 
「ぷふぁぁ〜 これってもしかして、女の子が好きな人の名前書いてさ、
毎日告白されること、夢みてるの?
それとも、思いが届くようにって何かのおまじない?」
 
カカシは笑いながら、ノートをデスクにそっと置いた。
 
しかし、心の中ではバカにしながらも、何だか怪しげなノートに興味が湧いてきて、ちょっと悪戯してみようという気持ちになっていた。
 
木ノ葉高校は、名門御三家と言われる進学高で中高一貫の男子校だ。
カカシには彼女はいないし、今まで女の子を好きになったこともない。
 
カカシは本人の自覚はないが、幼い頃から文武両道才色兼備で小学校の頃もモテモテだったが、なぜか女の子には全然興味なかったのだ。
もちろん、今だって、いつも校門前にはカカシ目当ての女子高の女の子たちが密かに覗いていたり、どこで調べたのか、家のポストに手紙が入ってるなんてことも日常茶飯事で。
バレンタインなんかは、どうやって校門を突破出来るのか、毎年とても苦労しているのだ。
 
木ノ葉高校を選んだのは、隣の家に住んでいて、歳は二つ上の幼馴染で兄のように慕っている不知火ゲンマが通っていたからだ。
カカシの父親サクモは警視庁のエリート刑事だ。
面倒な事件を担当すると、中々家に帰って来られない。
母親は小学校に上がってすぐ病気で亡くなってしまった。
母親同士が仲が良く、生まれた頃からお互いの家で遊んでいたから、カカシの母親が亡くなってからは、サクモが帰れない時は、ゲンマの家で食事をし、泊まらせ貰うことになっていた。
さすがに、高校生にもなれば、一人でご飯も食べれるようになったし、お泊りすることもほとんど無くなってはいたが。
カカシは一人っ子だったが、ゲンマには姉がいて、二人共カカシを本当の弟のように可愛がってくれた。
だから、ゲンマが受験をし、超難関校の木ノ葉中学に受かった時も、カカシは自然に自分もその学校に行きたいと思ったのだ。
ゲンマが教えてくれたので、特に塾に通うことはしなかったが、元々聡明だったカカシは難なく木ノ葉中学に合格できた。
父親のサクモも別の意味で喜んでくれた。
自分と同じ仕事について欲しいとは思ってはいなかったが、木ノ葉高校からは、自分の母校であり、この国の最高学府である灯大への進学率がNo.1だったから。
木ノ葉に通っていれば、恵まれた教育環境や友達の中で、自然とカカシも灯大へ行きたいと思ってくれるのではと期待していたのだ。
別に学歴がすべてと思っている訳ではないが、良い人間関係を結ぶことが出来、視野も広がるという面で息子にも自分と同じ大学に通って欲しいという思いがあったのだ。
  
「ちょっと試してみよっかな・・・」
 
でもそんなカカシに女の子の名前が思い浮かぶことはなく・・・
唯一浮かんだ女の子はと言えば、隣のゲンマのお姉さんのミサの名前だった。
 
「でもな、万が一、本当になったら困るし・・・
絶対有り得ない名前を書かなくちゃ・・・」
 
誰にしようかと迷った挙句に・・・
 
引き出しからシャープペンを取り出して、ある人の名前を書いてみた。
 
 
不知火ゲンマ
 
 
「ぷっ・・・ これなら、大丈夫、絶対に有り得ない」
 

                                                                              2007/12/3

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