LOVE NOTE 完
太陽が真上に昇る頃まで、二人共ゆっくり休んだ。
カーテンから差し込む日差しが眩しく目に入り込んできてゲンマは目を覚ました。
すやすや寝息をたてて眠るカカシの寝顔を見て思わず笑みが零れる。
コーヒーの準備でもして来ようかと、カカシを起こさないよう、静かに布団から出たつもりだったのに、カカシは起きてしまったようだ。
「んん・・・ おはよ・・・」
枕元にあった時計を手に取り見たカカシはびっくりしたような声をあげた。
「うわ〜 もうお昼? オレだけこんなに寝ちゃったの?」
「いいや、オレも今起きたばかりだよ
おはよう、カカシ」
ゲンマはカカシの頬にちゅっとおはようのキスをした。
「もう・・・ ゲンマったら」
カカシはぽっと赤くなり、口を尖らす。
ブランチと言うより完全にお昼ご飯になってしまった食事を取り、それから今日はどこへ行こうか、なんて話で盛り上がった。
「ふふっ・・・」
「何笑ってるんだよ?」
(ゲンマにはファムのこと言わないでおこう。
別にあのノートの力でこうなったわけじゃないんだしね)
「何かね、不思議だな〜って思ってた。
こうして話てても、昨日までとは全然違うよね・・・」
「そりゃぁ、まぁ、今までのようなただの友達じゃないからな」
「何だか別の世界に来たみたい。
魔法でもかけられた感じがするよ」
「魔法って?
それって、まだオレ達のことが信じられないってこと?」
「ゲンマ・・・ そういう意味じゃなくって・・・
ん・・ ふわふわして宙を浮いてる感じかな?
何だかとってもいい気分ってことだよ」
「いい気分ね〜 よっし、決めた!
今日は遊園地に行って、絶叫マシーンにでも乗るか?」 「空を飛んでる気分になれるかな?
高いところ登りたいな〜」
「ん? 高いところ? カカシ・・・ 何か見たいのか?」
「空の上の世界ってどうなってるのかなって思ってね」
「ふっ、何だよ、それ?」
「オレ、友達がいるんだよ!」
「はぁっ?」
「ふふふ・・・」
ふと窓から空を見上げて、楽しそうにカカシは笑った。
ゲンマにはカカシが何を考えてるのかさっぱり分からなかったが、そんなカカシも可愛くってしょうがない。
「ゲンマがオレをいじめたら、助けに来てくれるっていう友達がいるんだからね!」
「オレがカカシをいじめる? 有り得ないな」
「オレ、こう見えても結構神経質で我侭なんだよ?」
「なら逆だろ? カカシが我侭言って、オレを振り回していじめるってことじゃないかよ!」
「ハハハ〜 そうかもね〜」
「よ〜し、オレがどんなにカカシのこと思ってるか、これからたっぷり教えてあげるからな、覚悟しておけよ!」
「お手柔らかに」
ゲンマは人差し指でカカシのおでこをこつんと押した。
他愛無い会話がとても心地良くって、二人は顔を見合わせて笑った。
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2008/1/24