直線上に配置

ソフトクリーム   1
   

「ゲ〜ン〜マ〜 ちょっとドア開けてよ〜」
 
玄関の外から暢気なカカシの声が聞こえた。
ゲンマはベッドで上でごろんと横になり、任務と暑さでへとへとに疲れた身体を休めていた。
いつも勝手にドアを開けてふらりと入ってくるカカシが、「開けて」と言ってるのだから、
両手が何かで塞がっているのかと思い、よいしょっと身体を起し、玄関に行ってドアを開けてあげた。
 
すると・・・
 
幸せそうな顔をして、カカシが立っていた。
 
両手にソフトクリームを持って。
 
「ほら、新しくできた角のケーキ屋さんの前にソフトクリームの置物置いてあるでしょ。
“北海道濃厚生クリーム使用”って書いてあって、前から気になってたんだよね〜
今日、暑かったし。ソフトクリームがオレを呼んだんだよ。
冷たいよ〜 美味しいよ〜 ってね」
 
何を言ってるのか、全く意味が分からない。
まぁ、それはいつものことなのだから仕方ない。
 
「はい、これゲンマの」
 
呆れ顔のゲンマにソフトクリームを無理やり渡し、カカシは嬉しそうな顔をしてペロリとソフトクリームを舐めた。
 
「うん、美味しい! 濃厚なのに思ったよりも甘くないし。これいいかも」
 
はぁと息を吐きながらも、とりあえず、ゲンマも一口舐めてみた。
 
「まぁ、このくらいなら食べられそうだな」
 
二人共甘いものはあまり食べない方だし、ましてや普段ソフトクリームなんて食べることはほとんどない。
いったい何年ぶりだろう?
前に食べたのはいつだったっけ・・・?
と、カカシは考え始めて、何かを思い出したのか、
ふっと微笑んだ。
 
 
「ねぇ、ゲンマ、覚えてる? 日向さん家でソフトクリーム食べたの。
あれ、びっくりしたよね〜」
 
カカシが懐かしそうにゲンマに話始めた。
 
「あぁ、思い出した。 あれは本当に驚いたよな」
 

                                                                                 2008/7/16

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