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メッセージ   完
   

あの金色の巻物を嬉しそうに読んでいた先生の顔が瞼に浮かび、思わず涙が溢れそうになった。
 
「明日、雨隠れの里に侵入する。
暁のリーダーが雨隠れの長だという情報をつかんだからな」
「自来也様、雨隠れは他里からの入国に対しては厳しい監視がつくと聞いてますが・・・
オレも同行させてください」
「アフォ!だからこそワシ一人で行くんだ。 何、ちょいと覗いてすぐ戻る、心配すんな」
「じゃぁ、何故この巻物を・・・オレに?」
「暁の情報は一刻でも早く綱手に知らせてやりたいからのぉ。
この暗号だったら、万が一、誰かの手に渡ったとしても解読は不可能じゃ。
まぁ、ワシの蝦蟇はそんなドジはせんけどな。
そういえば、お前はこの暗号は読めるよな?」
「いいえ、先生からオレが十八になるまではイチャパラ読んじゃダメだって言われてましたから」
「はぁっ? そうなのか・・・あの本以上のことしてたってのになぁ」
 
自来也は笑いながら、カカシの机の上に置いてあったイチャパラ上巻を持って来た。
そして、金色の巻物をするりと開いた。
 
「いいか、これが暗号に当てはめる術式。暗号の数字の計算式を解いて、それから、答えの数字と同じぺージを開く。その一番上の文字を読む。それから・・・」
 
自来也は延々と暗号解読の仕方をカカシに説明した。
 
「分かったか?」
「はぁ・・・こりゃあの先生があんな顔してたものも頷けますよ。
何でまたこんなに複雑な暗号を・・・」
「そう簡単に読まれちゃ暗号の意味ないだろ?」
「そりゃまぁ、確かにそうですけどね。
でも読むのにあんなに時間かかってたら、緊急の時は困るんじゃないですか?」
「あのバカそんなに時間かかってたのか?」
「えぇ、大体いつも一時間くらいは」
「そんなに・・・!?」
「読み終えた後は、いつもとっても嬉しそうで、顔がぐちゃぐちゃになってましたよ。
でも、結局オレには最後まで教えてくれなかったけど」
 
あの巻物を見る度にやきもちを妬いていたものだ。
どんな愛の言葉が書かれてたのかと思うと、今でも先生の嬉しそうな顔が目に浮かぶと胸がちくりと痛むのだから。
 
「すまん、すまん」
自来也は恥かしそうに頭を掻いて笑った。
 
「じゃぁ、何かあったら蝦蟇を飛ばすから、お前が読んでやってくれ。頼んだぞ」
「分かりました。自来也様、どうです?一杯くらいは」
カカシは立ち上がり、茶箪笥の奥にしまっておいたとっておきの日本酒を取り出し、自来也の前に差し出した。
「おぉ、それならご馳走になっていくかのぉ」

それから、二人で酒を酌み交わし、自来也は再び窓から闇の空へ消えて行った。
 
 
 
次の日の夜中、又、寝入ったところを起された。
窓を開けると、今度は綱手様の忍鳥だった。
一瞬、胸がざわっとなった。オレは飛び起きて着替えてすぐに火影屋敷に飛んで行った。
 
火影室に入ると、綱手様とシズネが険しい顔つきでオレをじろりと睨んだ。
 
「自来也から伝言が届いた。
しかし、木ノ葉の公式暗号ではないんだ。暗号班では読めないと言われた。
ったく、あのバカ、何考えてんだ。カカシ、何か知らないか?」

そう言って、綱手様は、小さなメモをデスクにバンと叩き付けた。

「これを蝦蟇仙人の頭の背中に書いてよこした。
頭が言うには、かなりの深手を負ってるらしい」

オレはメモを受け取って見た。
 
 
「9、31、8、106、7、207、15」
 
 
「少しお時間いただけますか?」
「読めるのか?」
「たぶん・・・」
「何で公式を使わない?」
「まっ、念には念を。ということでしょ。誰にも読まれないようにとね。
でも、ちゃんとオレに頼んで行かれたのですから、お許し下さい。
ちょっと書庫お借りしますね」
 
さすがに怒りのオーラが爆発寸前の綱手様の前でイチャパラを出すのも気が引けたし、あの巻物を人前で見せるのもちょっと嫌だったから。
オレは隣の書庫に入って、奥の机にメモを置き、腰のポーチからイチャパラを、胸のポケットからあの金色の巻物を取り出し広げた。
 
「まずは・・・」
最初の数字の式を計算する。
そして、その答の数字のイチャパラのページの一番上の文字を・・・
 
自来也様に言われた通りに次々と数式を解いていく。
そして、解読された文字を書き写す。
 
「こりゃ、思ったよりも面倒だな・・・」
とにかく、計算が複雑なのだ。オレはひたすら手を動かし、計算をし続けた。
やっと、言葉が繋がってきた。その言葉を急いで書きとめた。

「やはり、雨隠れの長が暁のリーダーだった。綱手覚えているか?
オレが雨隠れの戦災孤児三人を一時期面倒見ていたことを。
そいつ等の内の一人だ。しかもあの伝説の瞳術輪廻眼を死んだ奴六人に移植して増やし、ペインと名乗っている。本体は出てこなかったがの。そして、おそらく、そのペインを操っているのは、あのうちはマダラだろう。
マダラは必ずダンゾウを狙ってくる。ダンゾウから目を離すなよ。
ペインとマダラのことはとても一言では説明出来ん。帰ってからゆっくり話すからな。
左腕をやられてしまった。これから、病院に直行するから悪いがすぐに再生手術を 頼む」
  
「ふう・・・やっと解けた・・・自来也様腕を・・・」

時計を見ると全部解読するのに三十分もかかってしまった。
オレは巻物をポケットにしまい、すぐに火影室に戻った。
 
伝言を読み終えた綱手様は少しほっとしたような、でも腕のことが心配でしょうがないというような複雑な顔をした。
 
「そうか・・・しかし、肝心の暁のリーダーの秘密はこれだけじゃよく分からないな・・・」
「書こうと思ったら、長くなりそうで、帰って話た方が早いと思ったんじゃないですかね。
じゃなかったら、腕の痛みが我慢できないほどだったとか・・・?」
「マダラも絡んでるとなると・・・こりゃ、厄介だな」
「サスケも心配です」
「アイツ・・・ちゃんと戻れるのか・・・?」
「大丈夫ですよ!何てったって自来也様ですからね!
そうそう簡単にはやられるようなお方じゃありません」
「そうだな。シズネ、病院で待つぞ!手術の準備を頼む!」
「はい!」
「オレも行きます」
 
それから、三人で木ノ葉病院に向った。
外に出たら雨が降り出していた。
シズネは当直の医療班に適格に指示を出し、すぐに手術が始められるよう準備を進めた。
 
しばらく待っていたものの、自来也様が帰ってきた気配を感じることは出来なかった。
オレは、パックン達を口寄せして、木ノ葉の周りを走らせた。
もう、里の近くまで戻って来ているかもしれないし。
 
「ったく、自来也のヤツ、どこで油売ってるんだか。怪我してるってのに」
 
綱手は落ち着かないのか、さっきから窓と扉を行ったり来たりうろうろ歩いては溜息を付いてばかりいる。
 
「それにしても、カカシ、あれをどうやって解読した?」
「それが・・・実は・・・あれ、自来也様と四代目の二人の秘密の暗号だったんですよ。
オレも今回初めて教わりました」
「ったく、そんな面倒なもの使いやがって」
「でも誰にも解読は不可能ですから、暗号としては完璧かと」
「ふふふ・・・お前妬いてるんだろ? まぁ、いい。出かける時は、散々カッコつけて行きやがったんだ。
帰ってきたら・・・」
 
(そろそろカッコつかなくさせてやるかな・・・)
 
綱手は振り続ける雨を眺めながらそう呟いた。
 
「雨隠れに潜入なんて出来るのは、自来也様しかいらっしゃらないでしょう。
優しくしてあげて下さいよ、綱手様」
  
眠れないままいつしか東の空が明るくなり、パックン達も何の匂いも感じ取れないまま戻って来た。
 
「自来也・・・どっかで寝こけてるんじゃないか?あのバカ・・・」
「綱手様、必ず戻られますよ!自来也様は。オレも預かったこれを返さなくてはならないので」
 
オレはベストの一番右のポケットの上に手を当てぎゅっと握り締めた。
 
 

                                                                               2008/6/3

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