鈴の音 完
「けけけけけけけけ っ こ ん !!!!」 「結婚って、だって、オレ達は、その・・・」 「男同士だっていいじゃねえか。 オレは、紙っ切れ1枚出すの出さないってのには、何のこだわりもないからな」 サスケの言っていることが、全然理解できない。 頭が、全く回転しない。 思考が止まったまま、オレは只、ぼうっと、左手の薬指のプラチナのリングを見つめていた。 「オレのもあるんだぜ!」 サスケはそう言って、自慢げにズボンのポケットから、もう一つリングを取り出して、 オレの目の前で振って見せた。 「なぁ、あんたにはめてもらいたいんだけど」 えっと・・・ これをはめるって意味は・・・ そういう・・・ こと・・・ だよね・・・ 身体中に流れている血の温度が、 どんどん上がっていくような気がした。 くらくらと眩暈がした。 深く息を吸って、 吐いて〜 「でも、ごめん、サスケ。 もう一度、その・・・結婚の意味を教えてください」 「世間一般の意味はよく知らないけどな、 オレ様の辞書には、『愛し合っている者同士が生涯その愛を真っ直ぐに貫くということ』 だな。 子どもは出来ないが、我慢してくれ。 ま、とりあえずは、『ひとつ屋根の下で暮らすこと』から始めようぜ」 サスケが、急に神妙な顔をして、オレの前に立ち、そして、オレの手を取り立ち上がらせた。 「うちはサスケは、はたけカカシを生涯パートナーとし、 幸せや喜びは共に分かち合い、 悲しみや苦しみは共に乗り越え、 永遠に愛する事を誓います」 自分の胸に掌を宛て、 オレの目を真っ直ぐに見つめて、 朗々と、 堂々と。 何の躊躇いもなく、 そう言った。 そして、サスケは、次はあんたもなと言うようにオレの手を握り、胸にそっと押し当ててくれた。 掌に鼓動が伝わる。 ドキドキしすぎて、心臓が痛いよ、サスケ。 ほんの一瞬のことなのに、 時が止まったような気がした。 「は・・・」 (うん、大丈夫。声は出るみたい) 「はたけ・・・カカシも・・・うちは・・・サスケを・・・ 永遠に愛する事を誓います」 自分でも、何の迷いもなく、答えられたことにちょっと驚いたけど。 心の中で、いつか、こういう風に結ばれることを期待していたんだと思う。 もちろん、“結婚”なんていう形は想像はしていなかったけど。 「じゃあ、指輪の交換ってことで、頼むぜ」 「うん、サスケ」 オレは、サスケの手から、リングを受け取り、 サスケの左手の薬指にゆっくりとはめてあげた。 「サンキュ」 サスケに満面の笑みが零れた。 こんな嬉しそうな顔は、今まで見たことなかった。 「お次は、誓いのキスだ! 今日は、カカシの誕生日で、 オレ達の結婚記念日になったな」 「結婚記念日って何だか、恥ずかしいよ〜」 「それに、今晩は、初 夜 だ ぜ」 サスケが、耳元で甘く囁く。 「初っ!初っ!初っ夜ってえええ〜何それ?」 「たっぷり可愛がってやるぜ、いいだろ?」 「もう〜サ〜ス〜」 抗議の言葉はサスケの唇で塞がれてしまった。 幸せなキスがいっぱいいっぱい降ってきた。 それは、 とっても、 優しくて、 暖かくて。 嬉しくって。 幸せで。 悲しみも、 苦しみも、 サスケと二人なら、 何だって乗り越えていける。 もう、 一人じゃないんだね。 サスケの細くて長い指が、 オレの薬指のリングに触れた。 どこか遠くで、 ちりんちりんと、 鈴の音が、 聞こえたような・・・ 気がした。 |
2009/10/11
夏の映画のあの鈴のシーンを観た時に、きゃあ〜 もう、何この乙女なカカシは!!!
って、皆さんも思いましたよね〜><
絶対、先生を思い出している顔だよ!あれは!ってね!
先生から貰った大事なものだから、あんなケースに入れて、抱きしめてるんだよ!
カカシはさ〜!
今年のカカ誕はこれで決まりだと、映画館の中で即決でした。
なのに、書き始めたら、あれ?なんで、サスケが、カカシを起こして?
自分でも驚きの展開でしたが(笑)
ま、よく考えてみれば、サスカカって書いたことないので、
書いてみようかなあと思い。
結末は、なんで、いきなり結婚かよ!という、ありえないお話になってしまいましたが、
最初で最後かもしれないので、悔いなく好き放題に書きました!
どうか、笑ってやってくださいませ〜!
連載中、たくさんの拍手をいただきまして、大変励みになりました!
本当に、ありがとうございました!