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師弟の絆   6


しかし、尾獣研究は木の葉のTOP3が集まったとしても、とても困難な問題であった。
理論上では、様々なことが討論されても、何てったって、現実に試す訳にはいかないので、
その方法が本当に尾獣に効くのかどうかすら全く予想できないのだ。 
 
「兄さん、俺は、尾獣を封印するのは、やはり生命体の方がいいと思うんだ」
 
「しかし、人間では無理だろう?
となると動物か・・・?」
 
「う〜ん・・・獣同士じゃぁな・・・やっぱり、難しいか・・・」
 
「こうなったら、木ではどうかな?
木ならある意味生命体だし、何より自由に動かせる。
俺の木遁術を極めれば・・・
何とかなるかもしれないな!」
 
「そうだよ、兄さん!木の葉らしく木遁でいこう!これに賭けてみようよ!」
 
それから、初代と弟と猿飛の長く厳しい尾獣研究が続けられのだ。
 
  
そして、数年後・・・
初代火影は、激しい修行を重ね、ついに、木遁術による尾獣の封印術を完成させた。
その方法を「火影式耳順術」と名付け、一つの巻物に記して残した。
 
「もちろん、実践で尾獣を試した訳ではないが、あれだけ、他の動物での実験は成功したんだ。
この術で、大丈夫だろう。
それから、尾獣のチャクラを吸収する方法も、猿飛が究めてくれたこの鉱石でまず問題ない。
二人共、本当によくやってくれた」
 
「ここまできたら、本物の尾獣が現れてくれて、封印術を試してみたいもんだな〜!」
 
「こら、冗談でもそんなことを言うな!
それより、お前達が木遁を使えなくては話にならん。 本当に大変なのはこれからだぞ。
ははは・・・」
 
3人は、がっしりと握手をし、喜びあった。
 
  しかし、無理な修行を重ねたせいか、火影は床に伏せる日が多くなっていた。
 ある日、自分の生い先が短いと悟った火影は、弟と猿飛を呼んだ。
 
「火影はお前が継いでくれ」
 
そう言って、火影は尾獣のチャクラを吸収できる鉱石のネックレスを首から外して、
弟に渡した。
 
「いいな、この後、うちはが尾獣獲得のために動いたら、先代の遺言通り、お前達が先手を打って必ず
止めろ。 奴等がどんな方法を使ってくるかは分からんが、写輪眼対策はしっかり立てておくように。
それから、俺がいなくなったら、メンバーが一人減る。
後は、猿の弟子の自来也でいいだろう?」
 
「はい」
 
二人は頷いた。
 
「一応、ネックレスは綱手にも渡してあるが、何なのかは伝えていない。
まぁ、アイツのことは、色々心配なこともある。
様子を見ながら、どうしても人手が足らなければ加えてもいいが・・・
ごふぉっごふぉっ・・・」
 
咳き込む火影の背中を弟がさすってあげた。
 
「すまんな・・・
こればっかりはな、術ではどうにもならんな・・・
俺は、自分の人生には何の悔いもない。
火の国の隠れ里として木の葉の里を創建できたし・・・
里の皆も喜んで、どんな大変な任務でも文句も言わず、引き受けてくれる・・・
このまま、平和な日々が続いてくれたらな・・・
いいか、どこまでも、里の皆の幸せを第一に考えろ。
後は、俺の思いをお前達が継いでくれ。
頼んだぞ!」
 
火影は、懐から、封印術を記した巻物を取り出し、弟の手に乗せ、そこに、猿飛の手も重ねさせた。
 
「兄さん・・・
俺、木遁がどうしても、出来なくって・・・ どうしてなんだろ・・・
このままじゃ、折角兄さんが開発した封印術が・・・」
 
「焦るな。お前たちなら、絶対出来るようになるさ!
俺はそう信じているよ! なっ、猿!」
 
「はっ、火影様の苦労を決して無駄にはさせません」
 
二人は、どこまでも、木の葉のために尽くすことを、
火影の前で、固く決意した。
  
 
数日後、初代火影は、安らかに息を引き取り、
遺言通り、弟が後を継ぎ、二代目火影に就任した。
 

                                                                      2006/11/28

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