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お正月といえば・・・   2
   

お昼前に四代目とカカシが別荘に到着した。
 
「自来也〜 おめでとう〜! うわぁ シカク、もう来てたの?」
「あぁ、一足早く昨日から仕込みに来てたんだぜ」
「そうなんだ〜 サンキュ!」
 
四代目とカカシは、きちんと正座して、新年の挨拶をした。
 
「師匠、明けましておめでとうございます。
シカク、おめでとう」
「自来也様、シカクさん、明けましておめでとうございます」
「おめでとう。今年は誰かさんのお陰で、ゆっくりできるからな。
有難いことよノォ。
カカシ、今年もコイツの面倒を宜しく頼む。
はい、お年玉」
 
自来也は、にっこり笑って、着物の袖から、お年玉を取り出して、カカシの頭をぽんぽんと撫でて、手渡した。
 
「ありがとうございます」
「師匠、オレは?」
 
四代目は両手を自来也に向けて差し出した。
 
「バカタレ!こんな時だけ師匠なんて呼びおって。
お前、いったいいくつになったんだ。
成人したら、お年玉なんて、もう貰えないに決まってるだろ!」
「え〜 ずっ〜るっ〜 楽しみにして来たのにぃ〜 ケチ!」
「火影になって、ワシより稼いでいるくせに、何言ってるんだ」
「そんなことないよ〜 Sランク任務なんて、ほとんどしてないもん!
火影手当てなんて、たいしたことないんだよ〜!」
「ったく・・・」
 
呆れ顔の自来也だが、ちゃんと用意してあったのか、袖から二つお年玉を取り出して、四代目とシカクに手渡した。
 
「へへへ〜 ありがとう、自来也!」
「さぁ、乾杯するか」 
「おめでとうございます!」 
「今年も宜しく!」 
「乾杯!」 
「いっぱい食べてくれ、ワシとシカクで腕を振るったからな!」
 
テーブルの上には、和洋折衷の豪華なお節料理や、お刺身の舟盛り、手作りローストビーフなど、四代目やカカシの好物ばかりが、ぎっしり並べられている。
 
「寿司が良ければ握ってやるぞ」
「うわぁぁ〜 すっげ〜 オレ達、朝軽めにして来たから、お腹ペコペコ〜!
お寿司!お寿司、握って!」
「これ全部、自来也様とシカクさんで作ったの?」 
「オレはね〜 カカシの為なら、なんだってやるぜ〜」
 
シカクは得意げな顔で、ウインクして、カカシに料理を取り分けてあげた。
 
「えっと、じゃぁ、中トロと、中トロと・・・
いくらと・・・いいや、とりあえず、全部握って!」
「この中トロは、天然ものの本マグロだからな、美味いぞ〜!」
 
自来也が、プロ並の手つきで、次から次へとお寿司を握っていったが、四代目の口へ、パクリパクリとあっという間に消えていった。 
 
「ったく、もっとゆっくり味わって食えよ。
握るのが追いつかないじゃねぇか!
カカシの分も食ってるだろ?」
 
自来也は、ちらっとカカシのお皿を見たが、四代目のスピードに遠慮して、あんまり食べていないようだ。
 
「オレは後でいいから、先生に先に握ってあげて!
自来也様、このローストビーフ、とても美味しいね〜
どうやって作るの?」
 
「まぁな、ちょっと下味付けて、回りを焼くだけだから、簡単なんだが、なんせ、肉を奮発したからな。
いい肉で作れば、誰だって美味しくできるさ」
「へぇ〜 そうなんだ、後で詳しく教えてくださいね」
(これなら、お肉好きの先生も喜んでくれるよな・・・)
 
カカシは、自分のことよりも、まず、四代目に美味しいものを食べてもらいたいということだけ考えている。
いつも、新しい料理は自来也に習っていて、何回か作れば、だいたいマスターしてしまうのだ。
 
「あ〜 やっぱ着物は苦しいな〜 
カカシ〜 ジャージ持って来て!
カカシは着物脱いじゃダメだよ。
可愛いからそのままでね!」
 
(後で・・・オレが・・・脱がせるんだから・・・)
という言葉を飲み込んだ。
 
四代目は、帯をするりと解いた。
カカシに持って来させたジャージにさっさと着替えて、さらに、スピードアップ゚して食べまくっている。
物凄い勢いで次から次へとお皿が空になっていく。
そして、カカシが一生懸命四代目のお皿に料理を取ってあげている。
自来也もシカクもお酒を飲みながら、麗しい(?)師弟の姿を目を細めて、見守っている。
それに、料理人としては、美味しい美味しいと言って食べてくれるのが、何より嬉しいのだ。
 
 
 

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