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カカシの微笑み   3

   

「その・・・ プレゼントなんだけどね・・・  はぁぁ・・・」
 
カカシは深いため息をついた。
 
「おいおい、大丈夫か? 朝からあんな顔しててたから何事かと思ってたけど」
「えっ? あんな顔って・・・?」
「カカシ、口布で隠してるから、分からないだろうって思ってんだろ。
お前、意外と顔に出るタイプなんだぜ〜」
「え〜!? うそ・・・?」
 
カカシはぱっと両手で顔を覆った。
ゲンマもアスマも思わずぷっと吹き出した。
顔を真っ赤にしたカカシのなんと可愛いことか。
こんなカカシを見れるのも、同じ班で組んでいる自分達だけの特権だと思った。
 
「まぁ、俺たちの前だからかもな!」
「そっかな・・・ 」
 
カカシは、普通じゃなかった心理を見抜かれていたことが、情けないような、でも、何でも分かってくれている二人のことがちょっと嬉しいような、複雑な思いがした。
  
「で?」
「今年は、先生が火影になって初めての誕生日だし・・・
それに・・・ 実は、お正月にね、ちょっと豪華なプレゼントを貰っちゃたんだ。 
だから、誕生日には、何か形に残るものをあげたいと思ったんだけど・・・
去年もケーキだけだったからね。
でも、中々いい物が思い浮かばなかったから、先生に何か欲しいものある?
って聞いたらさ・・・」
 
カカシは恥ずかしそうに下を向いた。

「ふんふん、それで、先生は?」
 
ゲンマは、楽しそうに身を乗り出して聞いている。
 
「うん・・・ 
『美味しいケーキとカカシの微笑 欲しいのはそれだけだから』 って・・・
お金で買ったものはいらないって、きっぱり言われちゃったの・・・」
「はいはい、ご馳走様! ケーキとカカシの微笑ね〜」
 
(まっ、先生の気持ちも分からなくないな・・・)
 
「ゲンマ〜 アスマ〜 何かいいプレゼントな〜い?」
 
ゲンマはう〜んと唸りながら、大げさに腕組をして、考え始めた。
 
「美味しいケーキ・・・ カカシの微笑・・・ 先生はそれだけでいい・・・
お金で買ったものはダメ・・・ でもカカシは何かあげたい・・・
じゃぁ、お金で買えないもの・・・!?」
 
ゲンマの頭の中で、キーワードがぐるぐる回っている。
 
「オイ、アスマも食ってばかりいないで、少しは考えろよ!
アスマだったら、何が欲しい?」
 
口をもぐもぐ動かしながら、アスマも考え始めた。
 
「う〜ん、そうだな・・・ やっぱ、オレは食い物がいいかな〜 
最高級国産牛のステーキとか!
普段食べられないような肉がいいな〜
で、カカシが焼いてくれて、お口ア〜ンで食べさせてくれる!」
 
バコッ!!!
 
ゲンマはアスマの肩を思いっきり叩いた。
 
「もっと、真面目に考えろよ!」
「そりゃぁ、ケーキの他にも、先生の好きな食べ物は用意するつもりだよ。
でもさ、食べ物は食べたら無くなっちゃうし・・・」
  
その時、ゲンマが手をパンと叩いて、大きな声で叫んだ。
 
「そうだ!!!
肩たたき券だよ!!!」
「えっ? 先生 肩凝ってるの???」
 
カカシは不思議そうにゲンマの顔を見た。
 
「マッサージ券の方がいいじゃね?」

アスマもニンマリ意味あり気な顔をしながら、答えた。
 
「まぁ、ネーミングは後で考えるとして。
ほら、ガキの頃、父の日とかにさ、小遣いなくって、“肩たたき券”とか、
“お手伝い券”とか作ってあげなかったか?
これなら、お金で買ったものじゃないし、何よりカカシの心がこもったものだし!
先生、絶対喜ぶよ〜」
「お手伝いって・・・」
 
カカシはまだ今一、イメージがピンとこないのだが、ゲンマは興奮した顔で話し続けた。
 
「キタコレ! なんか、オレすんごくいい事閃いた!
カカシ、こういうのは演出が大事なんだからさ!
まず、金色にキラキラ光る紙を12枚作る。
そして、それぞれに、1月25日、2月25日って日付を書いて、毎月1枚づつ25日に使えるカードにするんだ。
<このカードで、先生の願いを一つ叶えてあ・げ・る> って書くんだよ!」
 
カカシはだんだんイメージが湧いてきて、目をキラキラ輝かせながら聞いていた。
 
「なっ!いいよな〜 オレってすごくね?
毎月1回楽しみがあるなんて!
うん、これなら、先生、絶対嬉しいと思うよ!
っていうか、カカシ、オレの誕生日もこれでいいから!
カカシスペシャルサービスカード゙12枚!
な〜 アスマ! どうよ?」
「毎月 25日が祭りみたいでいいじゃん!」
「願いを叶えるカードが12枚か・・・」
 
カカシは、はっと先生の言葉を思い出した。
 
「そういえば、先生、1月生まれは損だって言ってた。
クリスマスからお誕生日まで、1ヶ月で楽しみが終わっちゃってつまらないって」
 
「それだったら、このカードあげれば、毎月25日をあと何日って指折り数えて楽しみにしてたり。
それから、今度は何をお願いしようかなって考えたり。
お金はかかってなくても、夢があるしな。
まさに <カカシスペシャルカード> プライスレス!
うん! 絶対、いい、これ。 決まりだな!」
 
ゲンマは、うんうんと頷いて自分のアイディアに酔っているようだ。
 
しかし、ここでアスマが、「う〜ん・・・」と、渋い声をあげた。
 
「何???」
「カードはいいけどな、もうちょっと何か物足りなくね?
っつぅか・・・ どうせやるなら、とことんさ、盛大にな・・・」
「えっ、どういうこと?」
 
ゲンマは、アスマの方を見た。
 
「ゲンマもさっき演出が大事って言っただろ。
だからその・・・
渡し方をさ、もっとびっくりするような豪華な演出をしたらいいんじゃないかな」
 
ゲンマは再び腕を組み考え始めた。
 
「びっくり・・・ 豪華・・・ 
そうだな・・・ 夢があって・・・ 先生が喜ぶような・・・
アスマ、たとえば?」
 
カカシも、まさか、二人がこんなに一生懸命考えてくれるとは思わなかったので嬉しくなった。
 
「こう何ていうか・・・ うまく言えないけど・・・ 男のロマン? みたいな・・・!?」
「何だよ? 男のロマンって・・・」
 
ゲンマは銜えた楊枝をピクピクと動かしながら、組んでいた足を反対に組み直した。
 
と、その時、アスマがさっきシカクから貰った袋の中から何かが落ちた。
アスマは慌てて戻そうとしたが、 (これだ!) と、心の中で声をあげた。
 
それは、アダルトのDVDで、パッケージにエプロンをしたメイド風の女の子が写っていた。
カカシに見えないように、そっとゲンマに見せ、袋に戻した。
 
(ったく、アスマ、シカク隊長からこんなの借りてんのかよ・・・)
 
ゲンマもアスマの言いたいことが分かったようで、口の端をあげて、ニヤリと笑った。
 
「カカシ、家でエプロンとか着ける?」
「えっ? エプロンていうか・・・ あれ、ショートサロンって言うのかな、ほら、お腹から下だけのちっちゃいの、食器洗う時だけ着けるけど」
「お腹から下か・・・ そういうのじゃなくてさ、上から繋がってるやつは?」 
「そういうのは持ってないよ」
 
ゲンマとアスマは目と目を合わせて頷いた。
 
「それなら、フリフリの可愛いエプロン買って着けてあげたら、先生喜ぶぞ〜!」
「え〜 そんなのダメ・・・ 恥ずかしいよ・・・」
「カカシィ〜 その恥ずかしいことを自分のためにしてくれるから、先生嬉しいんじゃないの?
な〜 アスマ〜!」
「何てたって、・・・エプロンは男のロマンだからな!」
 
アスマは、頭の言葉を少し小さい声で言ったから、カカシには聞こえなかったようだ。
 
「そぉかな・・・ じゃあ、そのフリフリとかが付いてないのなら、何とか頑張れそう・・・」
 
「カカシ、それから、りボンだよ! 
赤いでっけーリボンを頭でも首でも巻いてさ、あとはエプロンだけ着けて、ケーキとカードを、 『先生、お誕生日おめでとう、はい、プレゼント!』って、最高の微笑で渡す!
これで、ばっちり、決まりだな!」
 
ゲンマとアスマは、頭の中でその光景を思い浮かべ、思わずニンマリして顔を見合わせた。
 
「よ〜し、エプロン買いに行こうぜ!
オレが選んでやるよ!」
「えっ? 今から?」
「こういう事は,そうと決まったら早い方がいいんだ。 気が変わらないうちにな」
 
そう言って、ゲンマは立ち上がった。
 

                                                                              2007/2/8

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