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みかづき島の思い出   2
   

翌朝は、昨晩中々寝付けなかったというのにいつもより早く目が覚めてしまった。
もちろん、先生はまだ寝ているけど、オレはそっとベットから抜けだして、朝ご飯の支度を始めた。
お昼はどこで食べるのか聞いてなかったけど、とりあえず、ジャーは空にしていかなくちゃならいから、おにぎりも握っておいた。
仕度が終わった頃、先生を起こしに行った。
毎度のことだが、寝起きの悪い先生を起こすのは、一苦労だ。
タオルケットを引き剥がし、鼻を摘んで、身体をゆさゆさとゆすって、やっと目を覚ましてくれた。
 
「せんせぇ〜 もう、朝ご飯出来たよ〜」
「ん・・・ お・・・ おはよ・・・
カカシ・・・ まだ・・・ 早くない? もう・・・ ちょっとだけ・・・」
「ダメ、ダメ! 今日は早く出発しようって言ったのは先生だよ〜」
「ハイハイ・・・ うわぁ〜 いい匂い!」
「お味噌汁も出来てるからね!」
「ううん・・・ お味噌汁の匂いじゃなくって・・・  カカ・・・ 
あぁ、 いや何でもない・・・」
 
先生は、がばっと起き上がって、オレにおはようのキスをおでこにちゅっとして、洗面所にバタバタと走って行った。
  
それから、朝食を済ませ、オレの部屋に戻って、忘れ物がないかもう一度荷物のチェックをした。
オレは、普段はあまり着ないんだけど、公式親書を持って行く任務だから、木ノ葉ベストも着なくちゃならないと思って、ベストを取り出し、額当てをきりりと締めた。
そこに、着替えを済ませた先生が部屋にやって来た。
オレはびっくりして目が点になった。
だって、真っ青のアロハシャツにベージュのハーフパンツ、頭の上にはサングラスまでかかっている。
 
「先生・・・??? 木ノ葉ベストは・・・???」
「カカシも普段着でいいよ〜 額当ても外してね。
普通はね、密書を届ける任務は、忍と判らないように、
あえて一般人になりきって行くもんなんだよ。
まぁ、今回は危ないな密書じゃないから、狙われる心配もないんだけどね。
もちろん、ベストも額当てもちゃんと持って行くから大丈夫。
カカシも向こうに着いたらベスト着ればいいからね」
「それにしても・・・」
 
カカシは、何だか可笑しくなって思わず吹き出しそうになったのを必死に堪えた。
 
「何? カカシ、オレ、可笑しいかな〜?」
「ううん、先生ったら、何着てもカッコイイんだな〜って思って。
その格好なら、絶対忍には見えないし」
「みかづき島はねリゾート地なんだよ。 どう、 雰囲気出てるでしょ?
海水浴に行く仲良し兄弟って感じかな?  オレとカカシって・・・」
「えぇぇ〜 先生がお兄ちゃん?」
 
カカシは、ちょっと不思議そうな顔をして、少し考えた。
 
「う〜ん、お兄ちゃんって風には思えないな・・・
やっぱ、先生は先生だもの!」
「ハハハ〜 そうだよね〜!
さっ、そろそろ出発しよう。みかづき島まで、一気には飛べないから、
いくつかのアクセスイポイントを乗り継いで行くからね」
 
それから、家中の電機を消して、戸締りをしっかりして、玄関に出た。
 
「カカシ、背中に乗って。 目は開けちゃだめだよ。 さぁ、行っくよぉ〜!」
 
先生は自分のリュックを前向きに付けて、オレを背中に背負った。
オレは、息を大きく吸って、目をぎゅっと瞑った。
 
「飛雷神の術!」
 
何回、飛んでもこの瞬間には、中々慣れない。
大きな渦にぐぃっと吸い込まれそうな圧迫感が、たまらなく気持ち悪かった。
もちろん、目なんか開けてられない。 耳の奥がキーンと鳴った。
距離が短いとほんの一瞬なのだが、今日みたいに長い距離を飛ぶ時は、それだけ時間も長くかかる。
先生は一度行った所には、必ず術式を残してくるから、大陸中にたくさんのアクセスポイントを持っている。
正確に術式も管理しているから、いつだって、好きなポイントに飛べるんだ。
この術は、先生にしか出来ないらしい。
しかも、ただの移動手段のためだけでなく、実戦の戦闘の時にこそ、その力を発揮するのだから本当に凄い。
先生って、見かけからはあんまり想像出来ないんだけど、実は天才なんだよなって。
先生の背中でそんなことを考えている内に、一つ目の中継ポイントに到着した。
 
「はぁぁ・・・」
 
流石の先生も疲れたのか、オレを降ろすと大きなため息をついて、その場に座り込んだ。
この術は、チャクラの消費量が半端じゃないのだ。
中継ポイントで30分位の休憩を取り、また、オレを背負って次のポイントに飛ぶ。
それを4回程繰り返して、最後のポイントは港の近くまでやって来た。
 
「カカシ、飛ぶのはここまでね。
ここから先は、船に乗って行くんだよ。
ちょっとここで待ってて。 船の時間を見てくるから」
 
先生は船着場の切符売り場に走って行った。
しばらくして、先生は船のチケットを手に持ってひらひらと振りながら戻って来た。
 
「ちょうど良かったよ! あと1時間後にみかづき島行きの船が出るってさ。
乗ってる時間は、1時間ちょっとだって。
それなら、お昼頃にはもう島に着けるよ!」
「わぁ、早く行けてよかったね!」
「先生、チャクラ使い過ぎでお腹ペコペコだよ〜
時間まで、カカシのおにぎり食べて待ってようっと!」
 
それから、待合室で少し早いお昼を食べて、出発の時間までゆっくり過ごした。 
時間になって、船着場まで行くと、みかづき島行きの船は大型の豪華客船だった。
 
「うひゃぁ〜 カカシ、凄いね〜 こんな大きな船に乗るの、先生初めてだよ〜」
「ホント、オレも初めて!」
「何かワクワクしちゃうね〜」
  
そう言って、先生はにっこり笑って、オレの手をぎゅっと握ってくれた。
 
「さぁ、行こう」 
 
こうして、先生とオレの夏休みの旅が始まったんだ。
 
 

                                                                              2007/9/10

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