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Sacred Pierce   4
   

さっさと、事を進めるオレをカカシは不思議そうに見ていたが、何も言わずに従ってくれた。
お風呂から上がって、まだキッチンにいたカカシをリビングに呼んだ。
 
「カカシ、こっちおいで」
 
カカシをソファーに座らせた。
オレはプレゼントを後ろに隠し持ってカカシの隣に座った。
 
「さっ、プレゼント交換しよ!」
「えっ? だって・・・ オレ何も用意してないよ・・・」
 
カカシの声が申し訳なさそうに小さくなる。
 
「いいんだよ。 カカシには美味しいケーキだけでいいって言ったんだから。
今度はオレがカカシにプレゼントする番でしょ。
カカシ、目瞑って」
 
そう言って、オレは金色と銀色のリボンでラッピングされた小さな箱をテーブルに置いた。
 
「いいよ、目開けてごらん、 これがオレからのクリスマスプレゼントだよ!
カカシはどっちがいい? 一つ選んで、もう一つをカカシからオレに頂戴ね」
 
カカシは意味が分からず、小首をちょこんと傾げた。
 
「えっ? オレが・・・ 先生に・・・ あげるの?
って、先生が買ったのに?」
 
「うん! いいの! いいの! 
カカシにプレゼント選んでたら、オレも欲しくなっちゃってね。
だから、カカシから貰ったことにすれば、オレも嬉しいし!
ね! これでプレゼント交換になるでしょ!」
 
カカシは先生の言ってることが分からなかったが、ここは大人しく従うしかない。
 
「ほら、早くどっちか選んで。
まっ、色が違うだけだから、本当はどっちでもいいんだけどさ」
「このリボンの色なの?」 
「まあね、そういうこと」 
「じゃぁ、オレは金色の方で」 
「はい、カカシ、クリスマスプレゼントだよ」
 
オレは金色の箱をそっとカカシの手の上に載せた。
そして、オレが両手をカカシの前に差し出すと、
 
「じゃぁ、オレから先生にプレゼント。
これでいいの?」
 
カカシが銀色の箱をオレの手に載せてくれた。
 
「うわぁ、嬉しいな〜 カカシありがとう!」
「何かちょっと変な気分だけど・・・ 
先生ありがとう!」
「これでいいんだよ! オレが嬉しいんだから。
さっ、開けてみて!」
 
カカシが金色のリボンを解き、箱の中を開けると・・・
小さなものがキラリと光った。
カカシは手に取り、目の前にかざして見た。
 
「えっ? これって・・・
ピ・・・ アス・・・?」
「そう! いいでしょ〜!」 
「オレが? じゃぁ、先生のも?」
 
オレはうんと頷き、銀色のリボンを解き、中からシルバーのピアスを取り出した。
 
「えへへ〜 ゴールドとシルバーね。
でね、もう一度、プレゼント交換するの」
「???」
 
カカシは益々何が何だか分からないというような顔をしてオレを見つめている。
オレは一個ずつピアスを交換した。
 
「これでいいの! 
カカシ、左の耳だけ、片方だけに穴を開けるんだよ。 
そして1個ずつすれば、ペアーってことになるでしょ。
いい? カカシ?」
「うん、ありがとう、先生。
オレ・・・ 嬉しいよ」
 
カカシはそう言って、嬉しそうにピアスをじっと見つめていた。
 
「先生・・・ これって・・・ もしかして・・・?」
「えへへ〜 分かった?」
 
ピアスには、目にも見えないような小さな小さな文字が刻まれていた。
 
「そう、オレの術式だよ。
こんな小さなものに彫ったのは初めてだったから、ちょっと大変だったけど。
これで、オレとカカシは繋がったから。
何かあったらいつでも、お互いがいるところに、飛んで行けるよ!」
「繋がる・・・ お互いがって・・・ 先生・・・?」
 
「ん! もう一つのクリスマスプレゼントはね、飛雷神の術だよ!
今まではカカシのチャクラ量じゃ、まだ無理だと思ってたけど、
最近はだいぶ量も増えてきたし、もうそろそろ、出来るかな〜って思ってね。
年が明けたら、修行を開始するから。
で、この新しいアクセスポイントをピアスに刻んでプレゼントしたんだよ」
「先生、ありがとう。
本当に・・・ オレにも出来るかな?」
 
カカシが嬉しくって抱きついてきた。 銀色の髪を優しく撫でてやる。
 
「大丈夫だよ! 出来るまでちゃんと教えてあげるからね」
 
カカシの小さな肩が震えているのが分かった。
顔を見ると今にも溢れそうな涙をぐっと堪えている。
四代目はカカシをぎゅっと抱きしめて、可愛い唇に触れるだけの優しいキスをした。
 
「さぁ、オレとカカシを繋げる愛の証。
ピアスの穴を開けるよ。
先にカカシがオレに開けてね」
「うん、分かった」
 
カカシは嬉しそうにこくりと頷いた。
 

                                                                              2007/12/7

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