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共戦共生 共誓共願   6
   

「ただいま〜」

カカシが夕食の支度の手を止めて、玄関まで迎えに来てくれた。

「先生、おかえり〜」

エプロン姿の何と可愛いことか。

「くんくん・・・ この匂いは・・・?」
オレは蓋を取って鍋の中を覗いて見た。
「おぉ〜 いいねぇ〜 オレの大好きなビーフシチューだ!」
「うん! お肉いっぱい入ってるからね。 先生、今週夜中の任務が結構続いてたでしょ?
いっぱい食べなきゃ身体がもたないよ。 今日も任務あるの?」

カカシに心配そうにそう言われて、オレはシカクのところに行って何をしているのかを思うと、恥かしいやら、申し訳ないやら、胸がきゅんと痛んだ。

「だっ、大丈夫! ちゃんと食ってるからね。
今日は何もないと思うよ・・・ たぶんね」

「じゃぁ、ゆっくりご飯食べようね! 先生、お風呂沸いてるから入っておいでよ。 
その間にサラダ作っておくから」

カカシはにこりと笑って、キッチンに向かい野菜を切り出した。

「あっ、ありがとう」

カカシの笑顔に思わずどきりとして顔が赤くなったのが自分でも分かった。
オレは慌ててバスルームに向かい、赤くなった顔にシャワーを浴びた。
 
「どどどどうしよ〜 言えるかな・・・ とりあえず、飯の後がいいよな。
うん、やっぱり寝る前にしよう!」
 
さっと身体を洗い、バスタブに浸かる。
さっき屋上で言おうと決めた言葉を呪文のように繰り返す。
 
「誕生日にはカカシが欲しい」
 
「誕生日にはカカシが欲しい」
 
「誕生日にはカカシが欲しい」
 
そうだよ、たった15文字じゃないか。
3秒か5秒くらいだろ。
ん、すぐ終わる。 
えっと・・・ それから・・・
ヤバッ・・・!
 
その後のこと考えてなかったじゃん!
 
カカシの答えを『いいよ』と『ダメ』と二通り想定して、オレのセリフも考えておかなくっちゃ。
どっちの返事でも、慌てたり、興奮したりして、何か変なこと言いたくないしね。
 
まずは、『いいよ』の場合は・・・
そりゃもう、ぎゅっと抱きしめて、「ありがとう! カカシ、大好き!」
って言って、キスをする。
もうこっちはこれで決まりだよな。 それ以外言うことないし!
 
問題は『ダメ』って言われた時の方だ。
何がダメなのかだよな。
 
1、 オレのことは好きでもまだ抱かれることに抵抗があるのか・・・?
2、 こんな嫌らしいこと考えてるオレが嫌いなのか・・・?
 
う〜ん・・・ ますは、1の場合、
「ごめん、オレ、もう我慢できなくって・・・ でも、カカシが嫌ならもう少し大人になるまで待つから。 
無理やりにはしないからね」
と言って、にっこり笑ってあげればいい。
 
問題は2の方だよな。
きっとオレ自身がショックですぐには言葉が出せないかもしれないし、泣いちゃうかもしれない。
とにかく、深呼吸だ。 いや、待て、カカシの顔は悲しくてもう見られないよな。
まず、振り返って背を向けることが一番先か・・・
それから、何て言えばいいんだ?
「今、言ったことは忘れて」
とかでいいのか?
「ごめん、驚かせて。 これからもずっといい師弟でいようね」
とか?
「ってのはジョーダンだよ! カカシをからかっただけだよ」
ってごまかすか?

あぁぁぁ・・・・ どうしよう・・・・
頭の中が混乱してきた。
よく考えてみれば、オレの人生でまともな「愛の告白」ってこれが初めてじゃないのかな?
そうだよ・・・ 経験ないんだもの、どうしたらいいのかなんて分からないよ。
もう一度、シカクに相談に行こうか。・・・
シカクは、カカシがオレが思っている以上に大人だから大丈夫なんて言ってたけど・・・
あぁ〜 どうすりゃいいんだ、オレ?
 
情けなくって、お湯の中にずぶりと沈んでみる。
すると、急にバスルームの扉の向こうでカカシの声がした。

「先生〜、大丈夫? もしかして寝てない?」

オレは慌てて、バスタブからざばっと上がった。

「ん〜 今上がるとこだよ」
「あんまり遅いから寝ちゃったのかと思ったよ」

カカシの影が見えなくなったのを確認してから、バスルームから出て、ぱっとパジャマに着替えた。
 
「先生、のぼせちゃったんじゃないの? 顔真っ赤だよ」
「ははは〜 大丈夫! ちょっと考え事してただけ。
 うわぁ〜 旨そう! ビール!ビー
ル!」
 
オレは冷蔵庫に行き、ビールを取り出しながら、顔を冷蔵庫の中に向け、冷たい空気を浴びせた。
 
少し、頭の温度を下げなきゃ・・・
 
 

                                                           2008/4/2

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