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White Christmas of the snowy country!    2

   

翌朝、清々しい顔で先生は、身支度を整えた。

「じゃぁ、カカシ、行って来るね。
明日は、びゅんびゅん飛んで猛ダッシュで、帰って来るからね〜!
美味しいケーキを頼むよ!」
「うん、まかせて! 先生、ほら〜 マント忘れてるってば!
これがないと大変だよ」

カカシは、先生の肩にマント羽織らせてあげた。

「いってらっしゃい。気をつけてね」
「カカシ、誰か一緒に過ごせる友達がいたら、遊んでおいでよ。
イブの晩に一人じゃ寂しいでしょ?」
「先生、そんなこと心配しなくていいよ。一人で大丈夫だからさ」
「そう・・・? じゃぁね」

先生はカカシを抱き寄せて、行ってきますのキスをして、ドロンと消えて行った。


「さてと・・・オレも仕度しなくっちゃね」

カカシは、押入れから、大きなリュックを取り出した。
実は、カカシは先生に内緒で、24日と25日は、有給休暇を取っていたのだ。
先生にバレないように、密かに時間外の任務を受けたりして、それはそれは壮絶な時間との戦いだったが、すべては先生と過ごすクリスマスのためと思えば苦にはならなかった。
時間をたっぷりかけて先生に美味しい料理やケーキを作ってあげたかったし。
まぁ、25日の休暇は、ある意味、自分の身体の状態を予想できたから・・・
三代目は、カカシの有休申請の意味もしっかり理解していたので、先生に、遠い雪の国への任務を命じたことを心苦しく思っていた。
先生が帰ってきたら、休暇を与えるから、有休をずらしてもいいぞとカカシに聞いてみたのだが、
このまま予定通り24日と25日に取らせていただきますとカカシは言った。

「オレじゃぁ、ちょっと移動に時間がかかっちゃうから、たいしたものは作れないかもしれないけどね」

カカシは手早く荷造りを済ませ、防寒マントを着込みフードを深々と被った。

「先生は後ろ振り向かないからバレないでしょ・・・」

カカシはにこりと笑って、先生のマントに仕掛けた小型の発信機のスイッチを入れて、現在地を確認して、その後を追った。


火の国の国境を越えて、ひたすら北へ北へと飛んで行く。
いつしか、辺りは雪がうっすらと積もって、白くなっている。

「ひぇぇぇぇ〜 寒いよぉぉぉ〜 雪の国はもっと積もっているんだろうな・・・
イヤだな・・・もう、こんな任務、絶対受けてやるもんか・・・」

文句をタラタラ言いながら、カカシの着せてくれたマントのフードをかぶり、先生はひたすら走り抜いた。


雪の国に着いた時は、もう夕方近くになっていた。
どこを見回しても、どの家にもたくさんの雪が積もり、辺りは一面の銀世界。

「さっさと親書を渡して、宿でゆっくり酒でも飲もうっと」

いくら先生でも、雪の中、夜道を飛ぶことは危険なので、一泊してくるようにと三代目から指示を受けていたのだ。
翌朝、一番で帰れば、夕方までには木ノ葉に戻れる。
それから、カカシとクリスマスパーティをすればいいのだから。
先生はその先を想像しては、思わずにんまりと微笑んだ。
身体の芯がじんわりと温かくなる。

「わ〜これって、いいかも。カカシのことを思うだけで身体がほかほか温まってくるよな。
カカシってすごいよ。ホカロンみたいだ」

今回の任務は火の国の大名の親書を、雪の国の大名、風花早雪に届けるというものだった。
先生は、早速、大名屋敷を訪れ、謁見の申し入れをした。
謁見の間に通され、風花大名に、決まり文句のような挨拶を済ませ、親書を渡して、これで任務は終わったと、さっさと下がろうとしたら・・・
まだ若いのに落ち着いた面持ちの大名は、穏やかな顔で先生に話しかけた。

「こんなに雪深いところまで、しかもクリスマスイブの晩にお越しくださり、本当に恐縮です」
と言って、深々と頭を下げた。
そして、今晩、この屋敷でもクリスマスパーティをするので、是非、ご招待をしたいと言ってきたのだ。

「いえいえ、任務で参りましたので、お気使いは結構です。お気持ちだけ有難くいただきます」
先生は、ご馳走食べられるかな?なんて思いも一瞬頭をよぎったものの、こんな誰も知らないところで、愛想笑いをしていても肩が凝るだけだと。
それなら、宿で、一人で酒でも飲んでいた方がよっぽどましだと思った。

「そうおっしゃらずに是非どうぞ!」
風花大名は、しぶとく先生を誘った。
「そのような晴れやかな場所に、このような忍服では皆様に失礼になりますので」
「そんなことはご心配なく、そのままで結構ですよ。
もしも、あなたが気になされるようでしたら、
こちらで服のご用意はさせていただきますので。
屋敷に仕えている者と家族だけのささやかなパーティですから。
気を使うものはおりませんので。
私の可愛い娘、小雪姫のためのクリスマスパーティなんです。
大勢の人で楽しくにぎやかに過ごしてやりたいのですよ」
愛娘の話になった途端、さらに顔をほころばせて、満面に笑みをたたえながら、風花大名は先生を誘った。

「でも・・・」

先生が答えに困っているところに、急に側近の従者が大名の元に近づき、何やら小声で報告をした。
大名は、うんと大きく頷き、急にきりりとした顔つきになって、先生の方に視線を戻した。

「只今、国境の警備隊から、木ノ葉隠れの里からの不法侵入者を一人捕らえたとの報告が入りました。
もしや、あなた様のお連れ様でしょうか?」
「そんなことはありません。私は一人で参りましたので」
「そうですか。今こちらに向かっておりますので、このままお待ちください。
もしかしたら、緊急なことかもしれませんしね」
「いえ、もし、里からの正式な任務で来ている者でしたら、入国許可証は持参しているはずです。
不法侵入にはなりません」
「あぁ、それはそうですよね」

先生は、事態が把握出来ずに、一体何があったのだろうと頭の中で色々な想定を考えてみた。

(まさか、つけられていたのか?
 何の気配も感じられなかったのに・・・)

「到着までにはまだ少し時間がかかりますので、ここで、しばらくお待ちください。
今、お茶の用意をさせていただきます」

先生は、運ばれてきたお茶を一口飲んだが、何だか落ち着かない。
大名があれこれと話しかけてくるので、適当に相槌を打つものの何の話だかさっぱり分からない。
部屋の窓から外をちらりと見ては、いったい誰だろう?何のために?と、
頭の中では、ありとあらゆる人の顔が浮かんでは消えていった。

一時間程待たされた後、側近の従者が入って来て、また、国王に報告をした。

「到着されたようです」

謁見の間の重厚な扉がゆっくりと開かれた。
兵士に両腕を掴まれて、引きずられるように部屋の中に入れられた木ノ葉の人間は、頭を押されてその場に跪かされた。

「大名の御前だ。フードを取れ」と兵士に言われて、フードを取ると、中から銀色の髪がはらりと現れた。



                                                           2009/1/4

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