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Twilight Angel    7

   

翌日、ガブラスはシドに電話をかけ家庭教師を引き受けると返事をした。
早速、今日の夕方、仕事を早く切り上げるから一緒に家に来てほしいと言われた。
ガブラスは、指定の時間にドラクロア研究所を訪ねた。
 
「あぁ、急に悪かったね。でも一日でも早く来てもらいたかったのでね」
「いえ、この度はお世話になります」
「何、そんな堅苦しい挨拶はせんでもよい。それに世話になるのはこっちの方だからな」
 
シドはデスクの上に散らばっていた書類をバッグに入れて、「さぁ、帰ろう」と言って部屋を出た。
自家用飛空艇が停まっている発着ポートに着くと、ボタンをピピっと幾つか押して、開いたゲートから愛機に乗り、自ら操縦席に座った。
ガブラスはこんなに高貴な人だったらお抱え運転手がいるのではないかと思っていたので、意外な感じがした。
ガブラスの顔を見て、驚いたのが分かったのか、シドはにやりと笑みを浮かべた。
「ははは〜 驚いているのかい? 私が運転するなんて。何、これも私のストレス解消の一つなんでね。
飛んでいる時が一番落ち着くんだよ。さぁ、どこでもいいから好きなところに座ってくれ。
ぶっ飛ばすからな。しっかりベルトを締めておきなさい」
 
ガブラスがシドの隣に座って、ベルトを締めた瞬間に、もう飛び立っていた。
確かに、もの凄いスピードだ。高層ビルと数え切れない程飛び交っている飛空艇の隙間を縫うように、器用に飛んで行く。
それはそれは、見事な操縦だった。
しかし、周りの景色を見る余裕もなく、あっという間にブナンザ家に到着したようだ。
 
飛空艇から降りて少し歩き、庭の方に出た、ガブラスは辺りを見回して呆然とした。
鮮やかな緑の芝生がどこまでも続き、前方には白亜の豪邸がそびえ立っている。
それはガブラスの想像を遥かに超えた光景だった。
 
さっさと歩いて行くシドの後に付いて行った。
大きな玄関の扉が開かれると・・・
ダダダ゙ッと小さな男の子が駆けて来て、突然シドの足に縋り付いてきた。
 
「パパ〜 おかえりなさい!」
「ただいま、今日は仕事がうまく片付いたから、早く帰って来られたよ!」

ここのところいつも、寝た後に帰る日々が続いていたから、夕食前に帰ってこられたのは、久しぶりのことだった。
シドが少年を抱き上げ、柔らかいほっぺにちゅっとただいまのキスをする。
そして、少年も嬉しそうな顔でシドにちゅっとキスを返す。
 
その瞬間、シドの肩越しにこっちを向いていた少年とガブラスの目が合った。
ガブラスはどうしていいのか分からずに、思わず頭を下げた。
 
(なんて綺麗なヘーゼルグリーンの瞳・・・)
  
ガブラスは、一瞬、身体全身にぴりりと電流が流れたような気がした。
身体が痺れて動かすことも、言葉を発することも出来ない。
只々、呆然とその麗しい少年に見惚れていたのだ。
 

                                                           2008/8/7
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