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LOVE NOTE   6
   

カカシはゲンマの腕を振り払い、
 
「ゲンマ・・・ ごめん・・・ ちょっとお水飲んでくる」
 
と、言ってキッチンへ走って行った。
 
冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出し、ごくりごくりと飲み、目の前の流しにちょこんと座っているファムを恨めしそうに見つめた。
 
「ファム・・・ いったいどうすればいいんだよ?」
「だから、言っただろ。一度名前を書いたら、結ばれるしかないんだ」
「断れないの?」 
「一度ちゃんと付き合ってから、分かれるなら仕方ないけど」
「だって、OKしてすぐ振るなんて悪いじゃん」
「もちろん、一日二日って訳にはいかないぞ。
最低でも三ヶ月位は恋人同士でいなくっちゃな。
しばらく、付き合ってみればいいじゃないか。
嫌いじゃないんだろ? アイツのこと?」
「だから、友達だよ! それ以上の感情なんて・・・」
「平気、平気! 心配すんな!
ここからは、オレ様の魔法でカカシがアイツのことを好きになるようにしてやっから!」
 
ファムは意味ありげににやりと笑った。
  
「カカシ?」
 
戻ってこないカカシを心配してゲンマがキッチンまで様子を見に来た。
流しに立ったまま振り返らないカカシにゲンマは後ろからがばっと抱きついた。
 
「いや・・・ 離してよ・・・ ゲンマ・・・」
 
ゲンマはカカシをくるりと正面に向けた。
 
「カカシ・・・」
 
ゲンマの顔がずんずんとカカシに近づいてくる。
 
(えっ!?  ゲンマ・・・)
 
ゲンマの唇がもう少しでカカシに触れようとしたその瞬間、カカシは思わず顔を横に背けてしまった。
 
「カカシ・・・? 
って、もしかして・・・ ファーストキスまだなのかよ?」
 
カカシは頬を染め、下を向いたまま小さな声で言った。
 
「そんなの・・・ まっ・・・ まだだよ・・・」
「じゃぁ、オレがいただく」
「ちょっと待ってよ。 そりゃ、友達としてはゲンマのこと好きだよ。
でも、その好きと・・・ ファーストキスをする好きとは意味がちょっと・・・
って言うか、全然違うと思うんだけど・・・」
「オレはカカシが好きで、カカシとキスしたいと思ってる。
それだけのことだから」
「だから、ゲンマにとっては初めてのキスじゃないかしれないけどさ、
オレにとっては・・・
その・・・ 初めてのキスになる訳で・・・
だから・・・ こういうものはお互いの気持ちが・・・」
「オレだって・・・ 初めてだよ・・・」
 
ゲンマは恥ずかしそうに横を向き、ぼそっと言った。
 
「悪かったな。 無理にはしないよ。
オレ帰る」
 
そう寂しげに言ってゲンマは、玄関に向かった。
ドアの前に立ち、もう一度、神妙な顔をしてカカシを見つめた。
 
「びっくりさせちゃってゴメン・・・
でも、オレ、マジだから。
ふざけて言ったんじゃない。 それだけは分かって欲しい」
「うん・・・」 
「じゃぁな」
「おやすみ、ゲンマ・・・」
 
ゲンマが帰って、カカシはぁ〜っと大きな溜め息をついた。
身体が緊張してたのか、全身から力が抜けたような気がした。
何だか昨日あのノートを拾ってから、有り得ない事の連続で、どっと疲れた。
 
「もういいや・・・ 今日は早く寝ようっと」
 
カカシは何も考えずに、さっと入浴を済ませ、床に着いた。
 

                                                                                 2008/1/15

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