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ソフトクリーム   3
   

シカクはひょいとカカシを抱き上げて歩き出した。
ゲンマも後に付いて行く。
 
しばらく歩くと、立派な門構えの大きなお屋敷の前に着いた。
シカクは何も言わず、入って行った。
門を通ってからも、屋敷の玄関までかなりの距離があった。
ゲンマは辺りをきょろきょろと見回し、里にもこんな大きなお屋敷があるのかと驚いた。

シカクに抱かれたカカシも不安になって、
「ここ・・・ どこ・・・?」
と、聞いてみた。
「日向さん家だよ〜 どうだ〜 広いだろ〜?」
「ひゅうが?」
カカシもゲンマも何となくどこかで聞いたことのある響きだった。
「そうだ。日向一族って聞いたことあるだろ?
木ノ葉では名門一族だからな」
 
やっとのことで玄関に着き、カカシは降ろされた。
 
「こんにちは〜 ヒアシさん、可愛いお客さん連れて来ましたよ〜!」
「いらっしゃい!」

着物姿の威厳のある顔立ちをした男の人が迎えてくれた。
カカシもゲンマも少し緊張しながら、「こんにちは」と頭を下げた。
「よく来てくれたね。カカシ君、ゲンマ君、さあ、あがって」
 
二人はなぜこの人が自分たちの名前を知っているのか不思議に思いながら靴を脱いだ。
「こっち、こっち」
「お邪魔します」と言いながら、優しい顔で手招きしているその人に二人共黙って付いて行った。
 
長い廊下をくねくねと曲ると、台所のようなところに通された。
もちろん、台所と言っても、一般家庭のようなものとは違い、二十畳くらいはありそうな広い台所だった。
そして、その隅にどんと置いてあった大きな機械の前に二人を連れて来ると、ヒアシは腰を下げ、にこりと笑った。
 
「これ何だか分かるかな?」
 
カカシは首を横にぶるぶると振ったが、さすがに六歳のゲンマは見たことがあった。
「オレ、知ってるよ! ソフトクリームが出てくるんだろ?」
「はい、ゲンマ君、正〜解!
「うわぁ〜 ソフトクリーム!?」
 
カカシはつぶらな瞳をきらきらと輝かせてヒアシを見上げた。
 
「そう、ここからね、ソフトクリームが出てくるんだよ
カカシ君はチョコレートとバニラのどっちがいいかな?
あっ、ミックスって言って、チョコとバニラが半分ずつのもできるからね」
 
カカシはどうしていいのか分からず、ゲンマの顔を見た。
ゲンマもちょっと迷ったが、やっぱり両方食べたいので、
「オレはミックス!」と答えた。
カカシはミックスがどんなものか分からなかったけど、ゲンマと同じにしようと思い、
「じゃぁ、ボクもミックスがいい」
と、言った。
「はい、はい、二人共ミックスね」
 
ヒアシは箱からコーンを取り出して、ソフトクリームマシーンの真ん中のレバーをぐいっと下げた。
すると、美味しそうなソフトクリームがにょきにょきと出てきた。
ヒアシはコーンをぐるぐると5回回してレバーを上げた。
 
「でか〜」
「うわぁぁ〜」
二人共思わず声をあげた。 

「はい、これはゲンマ君の」
ヒアシはゲンマにソフトクリームを手渡した。
「次はカカシ君のね」
ヒアシは今度は3回で止めた。
「はい、カカシ君はあんまり大きいとお腹こわしたら大変だからね。
このくらいにしておこうね」
「ありがとう」
「さぁ、どうぞ、どうぞ」
ヒアシは小さな椅子を二つ持ってきて、二人を座らせた。
 
「シカクも食べる?」
「いえ、今日は結構です」
「そんな〜 遠慮するなよ」
「あぁ、いえ、もぅ・・・ 全種類いただきましたし・・・」
 
ヒアシがソフトクリームマシーンを買ってからというもの、一族の皆は味見しろとの命令で、毎日、ソフトクリームを食べさせられて、もううんざりしていたのだ。
お腹をこわしたとか嘘をついて、誰も食べなくなっていた。
だから、任務で偶々一緒に組んだシカクを家に連れてきては食べさせていたのだった。
人の良いシカクも断れきれずに、最初は黙って食べていたのだが、一週間もすればさすがに飽きてしまう。
だれか、自分の代わりに食べてくれる人はいないかと思って歩いていたところに、丁
度カカシとゲンマを見かけたのだった。
 
「どう? 美味しい?」
「うん、とっても美味しいよ!」
二人共、ペロリぺロリとソフトクリームを舐めている。
 
「そう、よかった。 またいつでも来ていいからね!」
 
「ゲンマ、カカシ、二人で帰れるよな?
じゃぁ、オレはこれで失礼します」
 
シカクは手をひらりと振って、すっと消えて行った。
 
 

                                                                                 2008/7/27

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