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お願いだから・・・   3
   

それから、毎日忙しく任務に追われ、一年の時があっという間に過ぎていった。
相変わらず、アイツは夜中にこっそり忍び込んで来ては、オレに抱かれていく。
 
しかし、その日はいつもと何だか様子が少し違っていた。
 
「ハァ・・・ ハァ・・・ もっと・・・
お願い・・・ シ・カ・ク・・・」
 
大体二度もすれば満足してさっさと帰って行くのに、まだまだと強請ってくる。
 
「いいのか・・・? 時間は・・・」
「うん・・・ もう一度・・・ ね・・・」
 
必殺上目遣いでオレを見つめてくる。
あ〜ダメだ、そんな顔するな。
オレはアイツのこの顔には滅法弱いんだ。
 
オレは、頑張った・・・
三回も続けてするのは、ちょっと久々かも。
それでも、オレはアイツのために頑張ったんだ・・・
 
「ん・・・ イイ・・・ あっ・・・
シ・・・ カ・・・  あぁ・・・ イクッ・・・」
  
もうこれで最後とばかりにアイツの中に熱を放った。
アイツは肩で息をしながら、さらに信じられない言葉を発した。
 
「ねぇ・・・ もう一度・・・
もう・・・ 一度だけ・・・」
 
アイツはさすがに恥かしいのかオレに視線は合わせずに横を向いた。
頬を薄っすらと桃色に染め、切なげに眉根を寄せたその表情は、
気持ちよさそうとも、快感に溺れているとも、
何か違うような・・・
 
何かを打ち消すような・・・
何かを忘れたいような・・・
 
そんな風に見えて仕方なかった。
 
アイツがここまで言うんだ。
こりゃ、何かあったな。
オレはピンときた。
でも、アイツから何も言わないのならオレからは聞かない。
 
「ったく・・・ いくらオレでもそう続けてはな・・・
少しは休ませろ・・・」
 
オレは身体を起こし、煙草を手に取った。
アイツはベッドから起きもせず、オレの背中を人指し指でつつつとなぞり、はぁと深い溜息をついた。
 
「ごめん・・・ オレ・・・
もう・・・ 我慢の限界かも・・・
これ以上我慢できる自信ないよ・・・
苦しくて・・・ 苦しくて・・・
気が狂いそうなんだ・・・」
 
 
あぁ・・・ やっぱりな・・・
そりゃいつまでもオレで我慢ってのはな・・・
仕方ない、背中を押してやるか。
たぶん、アイツはそれをオレに求めているだろうし。
オレはアイツの方を向き、まっすぐ目を見つめた。
 
「我慢出来ないなら、我慢するな」
「でも・・・ 嫌われたくない・・・
嫌われるくらいなら・・・
今のままがいい・・ 」
「バ〜カ。 オマエがそこまでバカだとは思わなかったな」
「ひっど〜 これでも、真剣なんですけど!」
「我慢なんかしなくていい。
嫌われたくないなら、嫌われないようすればいいだけだろ」
「そんな簡単に言わないでよ・・・」 
「あの子の前では、ありのままのお前を見せろ。
バカでも、いやらしくっても、
それがありのままのお前なんだからな。
男を見る目はちゃんと持っていると思うぜ」
「シカク・・・ 本当にごめん・・・」
 
アイツは、いきなり抱きついてきた。
 
「オレったら、シカクに甘えてばっかで・・・」
 
このまま、また甘えさせたら、アイツはいつまでたっても一歩を踏み出せない。
アイツは背中を押して貰いたいんだ。
決して声には出さないけど、そう心の中で叫んでいるアイツの声が聞こえてくるような気がした。
もう一年も続いたこの奇妙な関係を、そろそろ終わりにするのもいいかなと思ったし。
 
「じ・・・ 実は・・・
オレも・・・ 最近ちょっと気になる娘が出来てな・・・
その〜 何だ、その娘をここに連れて来て、オマエに突然乗り込まれても・・・な・・・」
「迷惑・・・ だよね・・・!?」
「そろそろオレの背中を返してもらえないか・・・」
 
アイツは、下を向いて、しばらく考えているようだったが、気持ちが固まったのか、晴れ晴れとした顔を上に向けた。
 
「シカク、ありがとう。
オレったら本当に情けないよね。
誰かに・・・ っていうか、シカクに背中を押して貰えないと前に進めないなんて。
しかも、そんなバレバレの嘘までつかせちゃってさ。
でも、シカクのそんな顔見てたら、何か吹っ切れたよ。
オレ、頑張るから!
絶対、嫌われないように、頑張るからさ!」
「ふっ・・・ いや、嘘じゃなくって、その・・・ まぁ、願望というかな。
オレだって、未だにあっちからもこっちからも声が掛かって、これでも断るのに苦労してんだぞ。
誰かさんのお陰で、この一年女っ気なしだったからな。
まっ、これからは、木ノ葉はオレ様の天下だな!
よっし、何だかワクワクしてきたぞ!
見てろよ〜! すっげぇいい女大勢侍らせてハーレムだな! おい!」
 
オレはそんな光景を頭に思い浮かべ、思わずにんまりした。
 
「もう、シカクたら、鼻の下伸ばして〜
んじゃ、最後のヤリ納めにもう一度お願いね!」
「ハァッ!? えぇっ? 何それ? まだスルのかよ・・・
もう・・・ 勃ちそうにもねぇぞ・・・」
「大丈夫! 今までの感謝をこめて大サービスするからね!」
 
そう言って、アイツはオレを押し倒した。
 
それから、もう一度、もう一度と何度も求められ、
お互いの幸せを祈るように・・・
オレとアイツは熱く熱く抱きしめ合った。
 

いつの間にか、朝陽がカーテンから差し込んでいる。
こうしてオレとアイツの、「最後の夜」は、朝を迎えると共に終わりを告げた。
 
「ありがとう・・・
シカク・・・」
 
そう何度も呟くアイツの金色の髪をくしゃくしゃと掻き回し、
 
「早く帰れよ」
 
と、ただ一言、言葉を贈り、背中を思いっきりバシリと叩いて、
アイツをベッドから追い出してやった。
 

                                                                                 2007/11/9

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