お願いだから・・・ 6
「よっし! そうと決まったら、オマエ明日プロポーズしろ。
そして、就任祝が結婚式だとちゃんと言っておけよ」
「カカシ・・・ びっくりするだろうな・・・
絶対、恥ずかしいって言うと思うけどな」
「もしも、カカシがどうしてもイヤだと言ったら、オレが説得してやるから。
それから、まずは店の予約か。 大勢入れる店を貸切にしないとな。
まっ、火影様のためって言ったら、どんな先約があっても、都合つけてくれるだろうけどな。
それから、いのいちには、でっかい花束と・・・
あ〜 何だか考え出したら楽しくなってきた」
「だから、公式発表までは絶対内緒だよ」
「あぁ、分かってるって」
「シカク・・・ ありがとうね。
オレがこんなに幸せなのはシカクのお陰だよ。
オレったら、ずっとシカクに甘えてばかりで・・・
本当に感謝してる」
「何あらたまって。 そんなこと言うな。
オレ達の仲じゃないか。
あの岩隠れとの戦いで、お前が助けてくれなかったら、オレはとっくにお空の上だぜ。
オマエのためなら、何だってやるさ」
それから、どうやって結婚式をするのか、話が盛り上がった。
アイツは、段々調子に乗ってきて、あれしろ、これしろなんて要望を言ってくるし。
カカシには、やっぱり結婚指輪と花嫁衣裳に新しい服を買ってあげなくちゃなんて、まったく呆れるようなことまで言い出して。
「おい、そろそろ帰んなくていいのか?
可愛い花嫁さんが晩飯作って待ってるんだろ」
「うわぁ〜 ほんと、もうこんな時間か。
サンキュ、シカク」
「明日はあんまり頑張り過ぎるなよ。
何てったって初夜なんだからな。
もう一度、もう一度なんてカカシを虐めるなよ!」
「もぉ〜 シカクったら!
いくらオレだって・・・ そんなこと・・・」
アイツは顔を真っ赤にして、オレの肩をぐいっと押した。
「じゃぁな、明日会えるかどうか分からないから、
一日早いが今言っておくよ。
誕生日 おめでとう、ミナト。
今年のオレからのプレゼントは結婚式だからな!」
そして一週間後、二月の一日、三代目から火影の座をミナトに譲ることが正式に発表された。
里の内外共に、衝撃が走った。
もちろん、木ノ葉の里では、若い四代目火影の誕生を皆心から祝福した。
就任式は、二月の七日、各国の大名や隠れ里の長も招待され、盛大に挙行された。
その後も、毎日大陸中から、途切れることなく来客を迎えていた。
シカクは、正式発表の後すぐに幹事になって貰ういのいちとチョーザの同期を集め、火影就任祝と結婚式を一緒にすることを話し、打ち合わせを始めた。
皆、カカシのことも、微笑ましく受け入れてくれた。
火影ともなれば、苦労も絶えないだろうし、いくら天然で明るい四代目でもあの若さで里を背負っていくには相当のプレッシャーを感じるだろう。
四代目の性格をよく知っている親友たちでさえも、側で誰かが支えてやらないと、押しつぶされちゃうのではないかと皆心配していたのだ。
もちろん、自分達だって、何でもするつもりだが、あの四代目の心を支えていけるのは、カカシしかいないと誰もが思っていたのだ。
シカクは、早速お店を予約した。式の会場は庭付きの洒落たレストラン。
木ノ葉では一番広くて、大人数は入れるのはここしかない。二次会は居酒屋の人生色々を押さえた。 そして、招待者への連絡を始めた。
いのいちには花束の準備や店内の飾りつけを、チョウザには料理のメニューを頼み、それぞれが、得意な分野で、準備を着々と進めていった。
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2007/11/15