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お願いだから・・・   7
   

数日後、アイツからやっぱりカカシが恥ずかしがっているとの連絡を受けた。
全く、カカシを説得出来なかったとは、アイツらしくもねぇな。
でも、来客が続き接待に追われてゆっくり話をする時間もなかっただろうから仕方ないか。
ここは、オレの出番だなと、任務後カカシと一緒に帰り、オレの部屋で話をした。
 
「カカシ、まずはおめでとう、四代目のこと、良かったな」
「あっ、ありがとうございます」
 
カカシは顔を真っ赤にして、恥ずかしいのかすぐ下を向いてしまった。
 
「で、結婚式のことだけど・・・」
「それは、無理です!」
 
カカシは今度は上を向いてきっぱりと言った。
 
「何でだよ?」
「だって・・・ だって・・・」
「これはオレの気持ちなんだ。
まぁ、オレだけじゃない。
里の皆が四代目のことを心から祝福してるんだ」
「そりゃそうです、だから火影就任祝いだけでやればいいのに・・・
何でいきなり・・・ その・・・ オレとの結婚式とか・・・
意味分かりません」
「四代目を護るためだ」 
「四代目を?」
「そうだ、カカシは四代目の弟子だろう?
弟子が師匠を護れなくてどうする」
「外の敵に向かう時は、まず内側の結束を固めなければならない。
微塵ほどでも、隙間が開いていてはいけないんだ。
心を一つにすること、これが一番大事なことだろ?
新たな火影誕生という里にとって大切な時だからこそ、さらに心を一つにしなければならないんだよ。
そのくらい、カカシにだって分かるよな」
「ん・・・」
 
カカシの中では、どうしても結婚という言葉が引っかかって、というか恥ずかしくって仕方ない。
もちろん、何があっても四代目を護っていくいという気持ちはあるのだが、それは、あくあまでも陰でお護りしていきたいという思いであって。
あえて皆の表に出てまでそうしたいとは思っていないのだ。
 
「オレはね、今まで任務で四代目に何度も命を救ってもらった。
四代目がいなければ、今頃とっくにお空の上さ。
だから、オレは四代目のためなら何だってやる。
カカシは? カカシだってそうだろ?」
 
カカシは、もちろん、任務で危ないところを助けられたことも何回もあったが、何よりサクモを亡くして、心を失いそうになった時に、四代目が命懸けで自分を育ててくれたことに、言葉では尽くせない程感謝している。
四代目があの闇の中から救ってくれなかったら、自分もこの世にはいないだろうとカカシは思った。
 
「四代目の・・・ ため・・・
四代目を・・・ 護るため・・・」
「そう、四代目のためだよ、カカシ」
 
やっと気持ちが定まったのか、カカシは晴れ晴れとした顔を向けた。
 
「わかりました。 四代目のためなら、オレ何だってします。
少しくらい恥ずかしいことでも我慢します。
シカク隊長、宜しくお願いします」
 
そう言って、カカシはぺこりと頭を下げた。
 
「よっし! さすがカカシだな。 
心配するな、カカシは笑って四代目の隣にただ座ってればいいだけだ。
後はオレ達が仕切るから。 最高の結婚式にするからな!」
 
それから、準備万端すべてが順調に進み、参加者は暗部から、特上、上忍一同、そして三忍と三代目までほとんど全員が出席することになった。
シカクはカカシにも考慮し、ゲンマとアスマも招待してあげた。
参加者には、個人的なバレンタインデーは前日に済ませて貰うことと正装で出席するようにと伝言した。
 
こうして、ついに二月十四日、四代目とカカシの結婚式の当日を迎えた。
 
 

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