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お願いだから・・・   8
   

「イヤだ! こんなの絶対にイヤッ!」
 
カカシはほっぺをぷっくり膨らませて顔をぷいと横に向けた。
 
火影室で、四代目はタキシードをカカシに見せ、これを着るんだよと渡したが、あっさり断られたのだ。
 
「オレは木ノ葉ベストでいいですから!」
「だって、シカクがみんなに正装で来るようにって言ってあるんだよ」
「だから、木ノ葉ベストだって、木ノ葉では公式な正装でしょ?
そんな恥ずかしいの・・・ 絶対、先生とオレだけだよ・・・
先生、シカク隊長に騙されたんじゃないの?」 
「本当はオレが金色でカカシが銀色にしようかと思ったんだけどさ。
さすがに金色じゃお笑いみたいだし。
でも黒と白じゃ・・・ ちょっと地味かな〜って・・・
それじゃぁ、お揃いで二人共銀色にしようかとも思ったけど、まるでお揃いじゃカカシに恥ずかしいって言われちゃうと思ったし・・・
これでも、すっ〜ごく悩んだんだよ!
いい色だと思うけどな・・・」
 
カカシはハンガーに掛けられた二人の式服を見て、はぁと深いため息をつき、がっくり肩を落とした。
四代目のは少しラメの入った光沢のあるアイスシルバーで、カカシのは白に近い品のあるシルバーホワイトのタキシードだ。
 
「カカシ・・・ 絶対似合うよ・・・
折角・・・カカシのために・・・」
 
タキシードを撫でながら、ぶつぶつと独り言を言って拗ねる四代目。
カカシは、「カカシのため」という言葉がチクリと胸に刺さったが、それでも、ただでさえ恥ずかしいのにこんな衣装を着て、人前に座るなんて、自分には絶対出来ないと思った。
 
「でも・・・ みんなが正装だったら着てくれるよね?
カカシだけ木ノ葉ベストじゃ恥ずかしいでしょ」
 
四代目はどうしても諦められなくて、タキシードを衣装カバーに入れて、持っていく準備をした。
 
「分かりました。 本当にみんなが正装だったら着ますから」
 
カカシは渋々承諾した。
 
「ありがとう! それから、今日はマスクもなしね。
さすがに、こんなステキなタキシード着るのに、マスクは可笑しいもの」
「先生、いいの?」 
「そりゃぁ、本音としてはカカシの可愛い素顔は見せたくないけどさ。
オレ達のためにお祝いしてくれるんだ。
マスクしてたら失礼だよ。
みんなびっくりするだろうな〜 カカシったら綺麗になっちゃって!
だって、ほとんどの人がアカデミーに入る前のカカシの顔しか知らないんだものね」
 
カカシは、幼少の頃からその美貌をサクモが心配し、決して人前では顔を出さないようにマスクで隠していたのだ。
サクモ亡き後も、それをミナトが続けさせていた。
 
「さぁ、そろそろ行こうか」
 
結婚式は五時からだが、進行の打ち合わせがあるから、四時頃までには来て欲しいとシカクに言われていた。
四代目は、二人分のタキシードともう一つ紙袋を持って部屋を出た。
 
歩いて十分程で結婚式の会場に着いた。
そこは広い庭園が売りのお洒落なレストランで、もちろん、料理も美味しく、木ノ葉では最高級のお店だ。
 
入り口に立って手を振っているシカクを見て、カカシは呆然となった。
ちゃんと蝶ネクタイを締め、黒のタキシードでビシっと決めている。
まるでファッション雑誌出てくるモデルのようにカッコイイ。
 
「花婿さん、花嫁さんのご到着だ。 
さすがに衣装は着て来れないもんな、
まだ時間はたっぷりある、奥に控え室があるからゆっくり着替えてこいよ」
 
にっこり笑って、カカシの肩をぽんぽんと叩いた。
四代目は、どうだと勝ち誇ったような目でカカシを見つめた。
 
「ほらね、嘘じゃなかったでしょ」
 
カカシは何も言えずに、こくりと頷いて、四代目が持っていたタキシードを素直に受け取った。
 

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